経年劣化とはまったく逆に、“経年良化”というキーワードがある。
「年を経るごとに価値が上がり、趣が出てくる」というニュアンスで、ビンテージモノのジーンズ、ブーツなどのレザー製品など年月を重ねていくことで味わい深くなるものを指す。
でも、これってクルマにもあてはまるモデルがあるんじゃないだろうか。
文:片岡英明
ベストカープラス2015年12月18日号
モータースポーツでも活躍したB110サニー
「経年良化する」となると、それはやはり昔のいい時代を走っていたクルマになると思う。
そうなると名車の誉れ高い2代目のB110サニーを選びたい。
後に5MTを積んだGX-5もマイチェン時に追加されたけど、それを選ばなくても68psのシングルキャブ仕様だった2ドアセダンで充分だったよ。
ミッションは4速フロアシフトでも、なんせ車重が700㎏ちょっとと軽かったからね。今の軽自動車よりも軽量だったし、エンジンも直4、1.2L OHVだったんだけど、意外にトルクフルで6000回転まで軽快に吹け上がっていく過程が非常に気持ちよかったのをよく憶えているんだよね。FRで取り回しもよかったし。
それこそ排ガスとか音量規制もない時代だったからエンジンサウンドも魅力的だった。足回りだってリアがリジッド半楕円リーフで、レベルこそ低かったけど、平坦な郊外の道を走っているだけでもワクワクしたもの。
何年か前に撮影で2ドアセダンのデラックスに試乗したことがあったんだけど、このクルマ、もしいいタマがあったらいまだに欲しいと思ってるくらいだ。
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