トヨタ RAV4ソフトトップはキムタクのCM起用で大ヒット!! ライトクロカンブームを作った時代の寵児!!! こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】

トヨタ RAV4ソフトトップはキムタクのCM起用で大ヒット!! ライトクロカンブームを作った時代の寵児!!! こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】

 これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。

 当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、愛らしく個性的なスタイリングが魅力的だったRAV4ソフトトップを取り上げる。

文/フォッケウルフ、写真/トヨタ

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現代に登場したらヒットモデルになるのは必至?

 コンパクトで取りまわしが容易なボディサイズながら、SUVに必要な実用性を備え、悪路走行もこなせる。そのうえオープンという独自性を有しているとくれば、SUVの人気が高い現代なら間違いなくヒットモデルとなるに違いない。

 実際、ベースとなったRAV4は、クロカンSUVが全盛だった1990年代に、フレームレスモノコックボディに前輪駆動ベースのフルタイム4WDを採用したオンロード重視のシティ派SUVとして登場。セダンなど当時主流だった乗用車から乗り換えても違和感のない運転感覚と、高い着座位置による取りまわしのよさといった特徴が幅広いユーザー層に支持された。

 都会派SUVとしてデビューしたRAV4は、当初3ドアのフルタイム4WDのみで登場したが、人気車種となったことをうけて、ロングボディの5ドアやワイドボディ、FF車が追加されるなど多種多様なラインアップを揃えた。

 もともと遊び心を刺激するクルマではあったが、1997年末に登場したソフトトップ版は、ベース車の持ち味である趣味性を強調して“遊び”の部分をより明確にしたことで、より話題を集めた。初代RAV4がモデル後期となっていたタイミングだったこともあり、RAV4のカンフル剤となった。

ベースは3ドアモデルで、ラゲッジ部分を幌製のオープントップに改良した。オープン時、幌は後方に畳まれる
ベースは3ドアモデルで、ラゲッジ部分を幌製のオープントップに改良した。オープン時、幌は後方に畳まれる

 ボディサイズは全長3705mm、全幅1695mm、全高1660mmとSUVとしては小さい部類となり、前後に詰まったチョロQのような見た目はかなり愛らしい。

 現代の新車市場で手に入るソフトトップのSUVはジープ・ラングラーのみとなるが、当時はパジェロやジムニー、エスクードなどの国産モデルにもソフトトップ仕様が用意され、本格的なオフロード走行を行う愛好家にとって格好の選択肢となっていた。他車がクロカンらしい無骨なイメージだったのに対し、RAV4ソフトトップの都会的な雰囲気は注目を集めた。

混雑した街中や狭い林道でも軽快な身のこなしを発揮

 ソフトトップは手動開閉式で、まずファスナーとマジックテープで固定されたビニール製のリアウインドウとリアクォーターウインドウを外し、ルーフ部にあるふたつのラッチレバーを解除して幌を畳むとオープン状態に。開閉作業をひとりで行うには慣れを必要とするが、幌の作りはしっかりしているので、雨漏りの心配は少ない。

SUVとしては見た目がかなり個性的。着座位置が高いSUVでのオープンエアドライブは、スポーツカータイプのオープンカーとは異なる楽しさが味わえる
SUVとしては見た目がかなり個性的。着座位置が高いSUVでのオープンエアドライブは、スポーツカータイプのオープンカーとは異なる楽しさが味わえる

 オープン走行時の巻き込みは、一般道を流して走っている状態(60km/h程度)ならさほど気にならず、むしろ爽快感が味わえる。

 速度が上がれば風の巻き込みはそれなりに激しくなるが、それもオープンならではの醍醐味だ。しかも、着座位置が高めのSUVでオープンエアを楽しめるというのは、スポーツカータイプのオープンカーとは明らかに違った味わいがある。

 ボディサイズがコンパクトなうえに3ドアなので、車内のスペースは結構タイト。乗車定員は4名だが、2人乗りで使うというのが適切であった。

 運転席まわりはシンプルな造形となっているが、若年層のユーザーを意識していることもあって、シート表皮の柄はポップな色合いで仕上げられ、ファッショナブルで個性的だ。荷室は幌を畳んでもスペースが犠牲になることはない。

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