【もしもスマートキーが動かなかったら?】弱点と慌てないための解決策

電池切れになったら物理キーを活用する

マツダ車の物理キー。 最新のマツダアドバンスキーの電池の寿命は約1年という<br>
マツダ車の物理キー。 最新のマツダアドバンスキーの電池の寿命は約1年という

 それでは、うかつに電子キーが電池切れでドアロックが解除できなくなってしまったら、どう対応すればよいのか。

 答えは、電子キーに備わる「物理キー」(メカニカルキー)を使ってロックを解錠すればよい。

 「え? 普通のキーなんてついてないじゃないか?」と思った方は落ち着いて、電子キーを見てほしい。

 よく確認すると、薄い筐体に見事に「物理キー」が収納されていることがわかるはず。

 クラウンの場合はロック機構を解除して取り出せるのでよいが、コインや刃の小さいマイナスドライバーなどを使って取り出す必要がある場合があるのが難点だ。

 なんとか物理キーを取り外すことができたら、ドアロックを解除して乗り込みたいところだが、電池の残量不足で物理キーを使った場合、車種によってはドアのロックを解除した際に、盗難防止装置が作動して10~30秒警報が鳴る場合もあるので注意が必要。慌てることなく対応してもらいたい。

 運転席に座ったら、シフトポジションがP(パーキング)に位置にあり、ブレーキペダルを踏んでいることを確認する。

 次にこれも意外に知っていないと実行できないかもしれないが、エンジンのスタート/ストップ・ボタンにスマートキーで触れる。こうして車両側にキーを認識させれば、ボタンを押すとエンジンがスタート(ハイブリッド車では運行可能)できる。

最近は盗難防止のために鍵穴がないドアノブも急増中!

盗難防止のためドアノブの鍵穴が見えないようになっているレクサスRX
盗難防止のためドアノブの鍵穴が見えないようになっているレクサスRX
RXのノアノブは外から鍵穴が見えないが、ドアノブを引くと鍵穴が見える。その一方でクラウンやカローラ、ヤリスなどの最新のトヨタ車ではすぐに対処できるように見やすい位置に鍵穴がある
RXのノアノブは外から鍵穴が見えないが、ドアノブを引くと鍵穴が見える。その一方でクラウンやカローラ、ヤリスなどの最新のトヨタ車ではすぐに対処できるように見やすい位置に鍵穴がある

 ただし、最近では少々困ったことに、なんとか物理キーを取り出すことに成功しても肝心の「鍵穴」が一見しただけでは見つからないケースも出てきている。ドアに鍵穴がなかなか見当たらない場合も、あくまで落ち着いて探すしかないのだ。

 レクサスや輸入車のように、車上荒らしの手段であるピッキング防止のために意図的に隠されており、また2019年に登場したマツダ3やCX₋30にはデザイン上の処理で鍵穴を見せない処理をしているので、少々苦労することになるかもしれない。

 鍵穴部分がカバーされていたり、ドアノブの内側に設置されていたりと発見するのが難しい場合もある。しかし、それでも鍵穴が「必ずどこかにある」ことに間違いない。

 たとえば、事故やトラブルに見舞われて乗員が車内に閉じ込められた場合、JAFや救急隊のスタッフが自力でドアを解錠しなければならず、緊急時ではドアロックの解除が物理的に迅速にできるか否かは、下手をすると命に関わることになるからだ。ともかく、慌てることなく、ドアノブの周囲などをよう探してみてほしい。

クルマを買ったら「トリセツ」で確認を!

 と、ここまで書き連ねれば納得してもらえるように、スマートキーが電池切れではなく何らかの事情で壊れてしまった場合も、同様に物理キーに頼ることになるから、とにかく所有しているクルマの取扱説明書を一度でもよいから確認しておくことをお勧めする。

 ドアを解錠できない、エンジンを始動させられないというもので、車内に入ることもできず途方に暮れてしまうこともあるだろう。

 すぐに電池交換できれば万事解決だが、外出先ではこうはいかない。そんなとき、まずは落ち着いてスマートキーに内蔵されている物理キーを取り出して、鍵穴からドアを解錠しよう。

 このとき注意しなくてはならないのは、盗難警報装置の作動だ。車種によっては、解錠してドアを開けた瞬間にホーンが10〜30秒ほど鳴り響くこともある。

 しかし、これは正常な動作であり、その先の操作やエンジン始動によって止めることもできるので、急がず慌てず作業を進めよう。

 電子キーの電池切れに見舞われた場合を考えると、ひとつだけ注文しておきたいのは、キーに内蔵されているコイン型リチウム電池の規格を、デザインや機能を含めた仕様の都合はあるにせよ、もう少し統一してもよいのではないかということ。

 調べて見ると、どうやらキーのタイプによってどうやら多種多様の設定になっているようで、 販売店や電気屋さんやカメラ店などが周囲にあればよいが、コンビニエンスストアでも確実に手に入れられるように、できるだけ統一規格に近いように設定してもらいたい。

 キーレスキー、スマートキー、カードキーと技術の進歩が進み、いずれはスマートフォンのアプリを利用するようになるような可能性は高いかもしれない(セキュリティの問題を確実にクリアするという課題が残っているが)。

 利便性が向上するのはよいとしても、いざという時にある程度の予備知識は必要なことを肝に銘じておいて、面倒とは思っても「転ばぬ先の杖」として“トリセツ”をぜひともご一読のほどを!

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