日本自動車史が誇る名車の中の名車、R32スカイラインGT-Rが、なんと「2016年に新車で発掘された」というニュースはベストカーWEBでも既報のとおり。
そんな貴重な個体を所有していた神奈川県のベストRに(2017年4月28日時点で)確認してみたところ、まだそのR32GT-Rを在庫しているというではないか!! そんな貴重なR32を、ここでもう一度復習してみよう!!
文:ベストカー編集部/写真:西尾タクト、ベストR
ベストカー2017年2月10日号(一部2017年4月28日に取材・加筆)
タイムスリップしてきたような1台
いまでもクルマ好きにはとても人気のスカイラインGT-R。特に第2世代の幕開けとなったR32GT-Rはそのハイテク4WDという勝つためのマシンメイク、そしてレースでの大活躍の印象もあり、多くの若者の人気の的になった。
そんなR32がなんと20年以上の時を経て”新車”が見つかったという。そんなアンビリバボーな新車のR32を保有する、神奈川県川崎市のGT-R専門店「ベストR」の代表、植田博文さんに話を聞いてみた。
「走行距離から考えても当然ですが保存状態はなかなかほかに類を見ないほどで、内装も外装も傷みはありません」
担当が実物を見るにこれはどこかの倉庫や、ガレージで大切に保管されていたに違いないと感じた。年式は平成6年式でグレードはVスペックII N1。N1というだけでも約230台ほどの希少車種で、それだけでプレミアがつく。
N1はその名のとおりN1耐久レース(現在のスーパー耐久)用のベース車両だ。エアコンは標準装備ではなく、タービンも専用部品というスパルタンな仕様のため、実在数は極めて少ない。
さらにいうとN1には3パターンある。標準グレードベースの「N1」、Vスペックベースの「VスペックN1」、VスペックIIベースの「VスペックII N1」となる。
なかでもVスペックIIベースとなると数十台しか存在しないともいわれ、サンニーのなかで最も希少なグレードだ。さらに走行距離10㎞の未登録の新車となればその値段は見当がつかない。
「値段も決めていない状態ですが、売るとなればとにかく貴重な1台なので大事にして下さる方に販売したいですね」と前出の植田さんは語る。

ヘッドライトが標準車のプロジェクター式とは異なるなどN1は専用装備も多い

よく見られるダッシュボードの浮きなどもなく綺麗なインテリア。屋内保管だったのは間違いない。
エアコンが装備されているが、液晶が備わるR32のそれとは異なり、こちらも憶測を呼ぶ
出自はレース関係? そのナゾに迫る
新車が数十年ぶりに発見されるのは時たま起こることではあるが、それはフェラーリなどのスーパーカークラスでの話。走行用とは別に保管用や投機用として購入されている個体もあるくらいだから、時折そのようなことも起こる。
しかし32GT-Rとなると希少なVスペックII N1とはいっても、シリーズ累計で4万台以上が売られた量産車であり、新車当時から投機用に20年も寝かせておくとは考えにくい。
ここからは編集部の完全なる推測として読んでほしいが、N1というグレードからしてきっとN1レース車両製作のために購入された1台ではないだろうか。
しかしなんらかの事情でレース車両としての架装を受けることがなく、そのままレースガレージなどに置かれていたと推測する。
しかしレース架装前提にしてはオプションのエアコンが設置されているなど、どうにもスッキリしない部分もある。
植田さんによるとこのクルマはオークション仕入れではなく直接買い付けとのことだった。新たな伝説が生まれそうな1台だけに、どんな形であれ完全な状態で維持されるのがベストではないだろうか?


慣らし運転も終わっていない状態のRB26。このクルマに火が入れられることは今後あるのだろうか…… 20年の時が止まっているインテリア。走行距離10kmは真実だ
まだこの個体はベストRに在庫しているぞ(2017年4月28日加筆)
今年1月にベストカーWEBに掲載して大人気のこの 32GT-R。実はまだ神奈川県川崎市のベストRさんに在庫しているとのこと。
もちろんコンディションは2016年12月の取材当時のままだ。歴史的に見ても市場に出てくることがまずない個体だけに、このクルマは今後も注目をしていきたい。
この32GT-Rを買うのは無理でも数多くの良質なGT-Rを取り扱うベストR。お目当てのクルマもきっと見つかるはずだ。アクセスは以下のとおり。
電話番号:044-980-4545
住所:神奈川県川崎市麻生区上麻生7丁目43-20

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