自動運転への挑戦が取りざたされる今日この頃。なんでもかんでも自動になって大丈夫なの!? なんてクルマ好きは思うだろう。
しかし「これはかなり画期的かも!?」という自動化のウワサが聞こえてきた。それがあのドミノピザとヨーロッパの企業が共同開発する自動配達ロボだ。
文:ベストカー編集部
写真:Starship
初出:ベストカー2017年5月26日号
デリバリーピザに革新が訪れる!?
”スターシップ”はデリバリー用ロボットを開発する会社だ。同社はエストニアに開発部門を置き、ロンドンに経営本部を置く。
創業者のアーティ・ヘインラ氏は通話サービス「Skype」の共同創立者だ。ハイテクの最先端の人ってわけ。そんなハイテク集団”スターシップ”がプロデュースするデリバリーロボットは、あのドミノピザと共同で現在実用化へ向けたテスト中だ。
6輪のロボットは車重18kgで、10kgまでの重量物を運搬することができる。だからピザを運ぶことなんて朝飯前。
現在は海外でドミノ・ピザと実験をしている段階だ。最高速は16km/hと自転車くらいの速さだが、安全対策で6km/hを営業運転用の速度に設定している。
走行時はメインとして歩道を通行するという。そうなると心配になるのがロボットの動きではないだろうか。子どもやさまざまな人が使う歩道で、ロボットが自動で走行するのは危険では?
「ロボットはまるで自分が歩行者かのような動きをします。もちろんほかの歩行者のスピードに合わせて走行をしますし、ロボットにとっても歩道が一番安全なのです」と担当者は語る。実験も順調なようで安全性も現段階では問題なしだ。
自律走行もこなしちゃう万能ロボ
この配達ロボットは自律走行が可能だ。ドミノピザが協力しているだけあって、ちゃんと自動で配達ができないと意味がない。自律走行にはまず人間のコントロール下で走行をおこない、ロボットがそのルートを記憶するというプロセス。
ロボットの頭脳は優れていてGPSがコンピューターの視野と共に動くことで、確実性を増している。GPSは周囲30mしか正確な情報を得ることしかできず、そこにコンピューターの視野が加わることで3Dの地図をロボットが作ることができる。
さらに9個のカメラと超音波センサーが装備されることで犬や歩行者、自転車などを感知して安全な方向へ進む。安全性への配慮の高さはさすが欧州プロダクツだ。
さらに配達中のピザが通行人につまみ食いされないように、常に荷室はロックをされており依頼主がスマートフォンで解錠しないかぎりロックされている。
ちなみに現在までこのロボットテストを通じては2万5000㎞を走破し、280万人の人の目に触れてきたが誰一人として盗もうとする人はいなかったそう。
万が一盗難やいたずらの危険性をロボットが感じた場合は警報を発し、ありとあらゆる開口部にロックがかかる。
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