コロナ禍で人気「幸せを運ぶキッチンカー」 開業まで最短3ヵ月 車両代込み232万円~

 改造した車内でタコ焼きや焼きそば、クレープなど様々な料理やデザートを作り、提供するキッチンカー(移動販売車)。イベント会場やランチタイムのオフィス街などで見かけるあの働くクルマだ。

 現在、コロナ禍でイベントがなくなり、キッチンカー業界も厳しい……と思いきや、さにあらず。蜜を避ける「テイクアウト」の流れのなかで台数は増加傾向にあるという。

 そんなキッチンカーだが、誰でも始められるのか? 車体はいくら? 資格や営業許可などはいるのか? などわからないことが多い。

 そこで、今回、キッチンカーに関する素朴な疑問から、キッチンカーのオーナーになるためにはどうしたらいいか、さらに都内周辺で営業しているキッチンカーまで紹介していこう。

文/ベストカー編集部
写真/平野 学
初出/ベストカー2020年5月26日号

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キッチンカーに関する素朴な疑問

フードトラックカンパニーはキッチンカーのオーナーになりたい方を全面サポートする業界最大手の会社。写真はIT関連の会社からキッチンカー業界へ見事転身を図った浅葉郁男代表(36歳)
これがスタンダードなキッチンカー。車体上部は丸みのあるデザインで、広大な資材収納スペース。容器などを入れておく。ひさしを開けると店舗の入り口が姿を現わす。この提供スペースの飾りつけも腕の見せどころ
運転席は標準車と同じ

 おいしい食べ物を届けてくれるキッチンカー。誰もが一度は利用したことがあるはずだが、案外知られていないのも事実。

 そこで、キッチンカーのオーナーになりたい方を全面サポートする、業界最大手の会社、フードトラックカンパニーの浅葉郁男代表に話を伺った。まずは営業に関することや車内の仕組みなど、気になることを聞いてみた。

■営業するには「保健所の許可」が必要

 クルマがあれば準備の第一歩となるが、一番重要なのは「保健所の許可」。これがないと営業はできない。

 食中毒を起こさないための設備の基準を満たしているかどうかがキモで、その基準はエリア(行政)により違う。

 各エリアに対応できる設備を車内に整えているというところが重要で、このフードトラックカンパニーが製造するクルマはそれに対応しているという。

給水(左)と排水タンク。各100Lずつの容量

■ゼロ知識でも始められる

 板金を手がけるところがキッチンカーに改造するというケースが全体的には多いが、キッチンカーの製造&販売の専門会社も数社あり、そこに相談すればキッチンカー初心者でも始められる。このフードトラックカンパニーも、その専門会社だ。

■使い勝手のいい軽自動車

 使うクルマは持ち込みもありだが、専門会社では資金さえあれば保健所許可対応のクルマを提供してくれる。

 フードトラックカンパニーでは現在新車のスズキキャリイ(DA16AT)をベース車にしている。

3槽シンク(右)に冷凍&冷蔵庫を完備

■3槽シンクなど充実

 実に効率的&機能的な車内のキッチン。写真をチェックしてほしいが3槽シンクや冷凍&冷蔵庫など、クルマの中とは思えない充実ぶりだ。

壁には換気扇も取り付けられている

キッチンカーで商売を始めるには?

 キッチンカーの概要を紹介したが、キッチンカーで商売を始めるのはいくらかかるかなど、もっと知りたいと思った人も多いのではないだろうか。

 そこで、引き続きフードトラックカンパニー代表の浅葉郁男さんに、さらに質問をぶつけてみた。

─浅葉さんは、やはり「食」にこだわりがあるから、キッチンカーの仕事にかかわっているのですか?

浅葉 食より楽しさです。音楽フェスなどで多くのキッチンカーが出店し、仕事する人が対面で楽しそう。私が始めた決め手はこれですね。

─改めて、フードトラックカンパニーの仕事内容は?

浅葉 キッチンカーの製作、販売、オーナーになるためのコンサルティングというトータルです。始めたいと思ったら、私どものところへ来ていただければ開業をサポートします。

 現在、ベース車は新車のキャリイがほとんどで、マツダタイタン(1.5トン)の場合もあります。もちろん、車両の持ち込みもOKでキッチンカーに改造します。

タイタンの車内。クルマのなかとは思えません。ここで調理、提供する

─創業3年と聞きましたが、累計で何台ほど製作を?

浅葉 2020年4月初旬時点で200台ほどですね。今年2月は月間20台ほどと増加傾向で、この4月も受注が多いです。

フードトラックカンパニーが製作した、出番を待つキッチンカ―たち。デザインもいろいろ

─多いですね〜。なぜ、増えてきているのでしょうか?

浅葉 今の新型コロナの影響で市場のテイクアウトニーズがドカンと伸び、キッチンカーもそれに伴い増加しています。

 外出自粛している一般の方のところへお店が行けますので。今のこの状況のもとで、より「求められている」と実感しています。

─こちらでお願いしたい…となるとどれくらいで?

浅葉 開業するまで短い人ですと3ヵ月ほどで始められます。資金は、私どもでは232万円からできます。製作されたキャリイの車両代(塗装代なども)、コンサルティング料などもすべてコミコミです。

コンサルティングは「試食見学会」から始まる。オーナーを目指そうと考えている人が大勢参加

─低価格ですね〜。オーナーはどんな人が多いですか?

浅葉 会社員で副業の方、飲食店関係で独立した方など。年齢はさまざまです。理由は「店を持ちたい」が多く、キッチンカーなら初期コストが低いですから。また「仕事しながらいろんな場所へ行ける」という理由で始める方もいますね。

─この仕事に向いている人はどういうタイプですか?

浅葉 ひとつはいろんな場所へ行ける強みがあるので、それを積極的に生かす人。もうひとつは、対面の仕事ですので明るい人。

 会話を含めて買う楽しさがあるのがキッチンカーの魅力。「ここで買うと楽しいな」と、お客様に思ってもらえる店は自然と人気店になりますね。

─クルマの外装色はどのような色がいいのでしょうか?

浅葉 どちらかというとメニューを限ったような外装は避けたいです。タペストリー(看板)を掛ける方法にすれば、カレーを売ったり、ほかの日はかき氷を売るなど多彩にできる利点がありますね。

オーナーへキッチンカーを引き渡す際に贈る記念のキー

取材協力/フードトラックカンパニー(東京都目黒区) 

クレープのキッチンカー「魔法堂」に密着取材!

店名「魔法堂」の書体にもこだわり、ボディ横のユニコーンイラストの原画は岡田さん自らのものという
魔法堂のキッチンカーのリア回り。女性オーナーらしく可愛いらしいペイントだ
「魔法堂」のオーナー、岡田英恵さん。右側の丸いカタチのものがクレープ生地を作るプレート
店頭部分。女性や子どもたちに大人気の飾りつけ。「近い将来、大人向けにユニコーンのタイ焼きのようなものを出したい」(岡田さん)

 そして続いては、フードトラックカンパニーから誕生した「魔法堂」というキッチンカ―を密着取材した。

 「クレープ屋さんを開きたいという夢があり、その一歩として1年半前から始めています」というオーナーの岡田英恵さん。

 東京、埼玉のスーパーの店頭などに出店。平日はひとりでクルマを走らせ、お店を切り盛りするが、土日はご主人の力強いヘルプもあるという。

 非日常を提供したいと「魔法堂」という店名にし、塗装にこだわり、ご覧のデザインに。以前のバイト先での習得&独学でのクレープとタピオカドリンクがメニュー。

 「メニュー作りも大変でしたけど資金面が大変でしたね(笑)」というが、その壁を乗り越え、1日250品売れることもあるという。

クレープを実際に作ってもらいました

 せっかくなので岡田さんに人気のチョコバナナクレープを作ってもらいました。

 人気のキッチンカーの条件は提供スピードの速さもありますが、岡田さんはあっという間にチョコバナナを作ってくれました。さすがです。

 担当人生2回目のクレープ、おいしくいただきました。ほっこりするクレープ屋さんでしたね。東京や埼玉のスーパーの店頭に出展しているそうなので、みなさんも見かけたらぜひ!

岡田さんにクレープを実際に作ってもらった。まず車内でクレープ生地を作り、生クリームを生地に塗っていく
そこへすばやくチョコをかける
バナナも入れクルクル巻いて……
人気のチョコバナナ(500円)の完成

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