コロナ禍で人気「幸せを運ぶキッチンカー」 開業まで最短3ヵ月 車両代込み232万円~

キッチンカーで商売を始めるには?

 キッチンカーの概要を紹介したが、キッチンカーで商売を始めるのはいくらかかるかなど、もっと知りたいと思った人も多いのではないだろうか。

 そこで、引き続きフードトラックカンパニー代表の浅葉郁男さんに、さらに質問をぶつけてみた。

─浅葉さんは、やはり「食」にこだわりがあるから、キッチンカーの仕事にかかわっているのですか?

浅葉 食より楽しさです。音楽フェスなどで多くのキッチンカーが出店し、仕事する人が対面で楽しそう。私が始めた決め手はこれですね。

─改めて、フードトラックカンパニーの仕事内容は?

浅葉 キッチンカーの製作、販売、オーナーになるためのコンサルティングというトータルです。始めたいと思ったら、私どものところへ来ていただければ開業をサポートします。

 現在、ベース車は新車のキャリイがほとんどで、マツダタイタン(1.5トン)の場合もあります。もちろん、車両の持ち込みもOKでキッチンカーに改造します。

タイタンの車内。クルマのなかとは思えません。ここで調理、提供する
タイタンの車内。クルマのなかとは思えません。ここで調理、提供する

─創業3年と聞きましたが、累計で何台ほど製作を?

浅葉 2020年4月初旬時点で200台ほどですね。今年2月は月間20台ほどと増加傾向で、この4月も受注が多いです。

フードトラックカンパニーが製作した、出番を待つキッチンカ―たち。デザインもいろいろ
フードトラックカンパニーが製作した、出番を待つキッチンカ―たち。デザインもいろいろ

─多いですね〜。なぜ、増えてきているのでしょうか?

浅葉 今の新型コロナの影響で市場のテイクアウトニーズがドカンと伸び、キッチンカーもそれに伴い増加しています。

 外出自粛している一般の方のところへお店が行けますので。今のこの状況のもとで、より「求められている」と実感しています。

─こちらでお願いしたい…となるとどれくらいで?

浅葉 開業するまで短い人ですと3ヵ月ほどで始められます。資金は、私どもでは232万円からできます。製作されたキャリイの車両代(塗装代なども)、コンサルティング料などもすべてコミコミです。

コンサルティングは「試食見学会」から始まる。オーナーを目指そうと考えている人が大勢参加
コンサルティングは「試食見学会」から始まる。オーナーを目指そうと考えている人が大勢参加

─低価格ですね〜。オーナーはどんな人が多いですか?

浅葉 会社員で副業の方、飲食店関係で独立した方など。年齢はさまざまです。理由は「店を持ちたい」が多く、キッチンカーなら初期コストが低いですから。また「仕事しながらいろんな場所へ行ける」という理由で始める方もいますね。

─この仕事に向いている人はどういうタイプですか?

浅葉 ひとつはいろんな場所へ行ける強みがあるので、それを積極的に生かす人。もうひとつは、対面の仕事ですので明るい人。

 会話を含めて買う楽しさがあるのがキッチンカーの魅力。「ここで買うと楽しいな」と、お客様に思ってもらえる店は自然と人気店になりますね。

─クルマの外装色はどのような色がいいのでしょうか?

浅葉 どちらかというとメニューを限ったような外装は避けたいです。タペストリー(看板)を掛ける方法にすれば、カレーを売ったり、ほかの日はかき氷を売るなど多彩にできる利点がありますね。

オーナーへキッチンカーを引き渡す際に贈る記念のキー
オーナーへキッチンカーを引き渡す際に贈る記念のキー

取材協力/フードトラックカンパニー(東京都目黒区) 

クレープのキッチンカー「魔法堂」に密着取材!

店名「魔法堂」の書体にもこだわり、ボディ横のユニコーンイラストの原画は岡田さん自らのものという
店名「魔法堂」の書体にもこだわり、ボディ横のユニコーンイラストの原画は岡田さん自らのものという
魔法堂のキッチンカーのリア回り。女性オーナーらしく可愛いらしいペイントだ
魔法堂のキッチンカーのリア回り。女性オーナーらしく可愛いらしいペイントだ
「魔法堂」のオーナー、岡田英恵さん。右側の丸いカタチのものがクレープ生地を作るプレート
「魔法堂」のオーナー、岡田英恵さん。右側の丸いカタチのものがクレープ生地を作るプレート
店頭部分。女性や子どもたちに大人気の飾りつけ。「近い将来、大人向けにユニコーンのタイ焼きのようなものを出したい」(岡田さん)
店頭部分。女性や子どもたちに大人気の飾りつけ。「近い将来、大人向けにユニコーンのタイ焼きのようなものを出したい」(岡田さん)

 そして続いては、フードトラックカンパニーから誕生した「魔法堂」というキッチンカ―を密着取材した。

 「クレープ屋さんを開きたいという夢があり、その一歩として1年半前から始めています」というオーナーの岡田英恵さん。

 東京、埼玉のスーパーの店頭などに出店。平日はひとりでクルマを走らせ、お店を切り盛りするが、土日はご主人の力強いヘルプもあるという。

 非日常を提供したいと「魔法堂」という店名にし、塗装にこだわり、ご覧のデザインに。以前のバイト先での習得&独学でのクレープとタピオカドリンクがメニュー。

 「メニュー作りも大変でしたけど資金面が大変でしたね(笑)」というが、その壁を乗り越え、1日250品売れることもあるという。

次ページは : クレープを実際に作ってもらいました

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