自動車メーカーには「広報車」とよばれるクルマがあり、それをベストカーなどの媒体やジャーナリストがお借りして好き放題インプレッションをしている。
しかし、旬のモデルとそうではないモデルが明確になってしまい、せっかく用意したのになかなか借りられないクルマがあるという。
そんな各社広報マンの悲鳴を聞いたベストカーが「地味だけどいいクルマ」を借りてインプレしちゃったようだ。清水草一氏の愛のあるなインプレをお楽しみ下さい。
文:清水草一、ベストカーWEB編集部(キャプション)/写真:平野学
ベストカー2017年9月10日号より再録
■トヨタの「目立たないけれど輝けるクルマ」はなんだ!?
メーカー広報部に「あんまり貸し出しがないけれど、取り上げてほしいクルマ、貸してください!」とお願いして出てきたクルマその1は、世界のトヨタが誇るFRセダン、マークXだ!
かつてマークII三兄弟がハイソカーブームを巻き起こし、月間3万台とか売れていたことを考えると思うところもあるが、久々に乗ったマークXの第一印象は「うお~、エアコンがビンビンだ!」でした。
たまたま温度設定が22度だっただけだが、このキンキンに冷えた感じがマークX! さすがトヨタの高級FRセダンはエアコンが寒いくらいに効く! 昭和の雰囲気だゼ!
走り出すと、おお、さすが自然吸気V6。トルク感は薄いけど滑らかなフィーリングは悪くない。でもATは6速。世の趨勢に微妙に出遅れてる感じが、かえってイイ!
とどめはセンターコンソールだ。この、なんの変哲もないどっしりした長方形、涙が出る! スバラシイです……。
■日産からは中国で大人気の”軒逸”!?
続いては、日産シルフィ。販売台数世界一に躍り出たルノー日産アライアンスの、中国市場でのエース的存在! 日本じゃあまり見ないけど、乗るとどうなのか?
こりゃスゲエ……。この「ガラガラガラ~!」っていうラフなエンジンフィール、ちょっと踏むとガバッと出るアクセルガバチョぶり。意外と動きが機敏といえなくもないが、なんというかアジア向け感をヒシヒシと感じる!
まさにグローバル経済の申し子といっていいだろう。加えて今回の「Sツーリング」は、エアロパーツまで奢られて新興国でも目立ちたい感がギンギン! これが日産躍進の原動力と、我が日本国民も深く理解する必要があるのですね。うむうむ。
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