神宮外苑のいちょう並木が金色に染まる季節の風物詩となった旧車の祭典「トヨタ博物館クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」が、11月25日(土)に開催されました。
会場となった神宮外苑 聖徳記念絵画館前(東京都新宿区)には、100台を超えるクラシックカーが集結し、来場者たちの目を楽しませました。本企画ではそのレポートをお届けします。
文&写真:大音安弘
■パレードを見ているだけで自動車の歴史を追体験できる
会場となる明治神宮外苑 聖徳記念絵画館前には、1987年までに製造された国内外の様々なクラシックカーが全国各地から約100台が集結。
毎年恒例のパレードランには、エントリーの中で最も古い1925年式ロールス・ロイス ファントムⅠトルペードツアラーを始め、往年の名車たちが、神宮外苑から銀座までのルートを駆け抜け、待ちゆく人たちの目を楽しませた。
パレード後は、参加車両の展示、一部車両による特設コースでのデモランも披露された。
今回の特別展示は、「過去を振り返り未来を想う-動力源の遷り変わり-」をテーマに、1886年に誕生した世界初のガソリン自動車である「ベンツ パテント モートルヴァーゲン(レプリカ)」、電気自動車の「ベイカー エレクトリック(1902年)」、蒸気自動車の「ロコモビル スチームカー(1899年)」などに加え、世界初の量産ハイブリッドカーである「トヨタ プリウス(1999年)」や燃料電池車である「トヨタ ミライ(2015年)」を展示。
クルマとエネルギーの歴史を振り返る内容となっていた。
そのなかでも戦中・戦後の燃料不足の日本で活躍した薪トラックに改造された「トヨタBM型トラック(1950年)」や次世代エネルギー車として開発された「トヨタスポーツ800ガスタービンハイブリッド」の2台は、日本の自動車史の物語る貴重な資料として、大変興味深く、熱心に見入る人の姿も見受けられた。
人気の高い記念乗車撮影コーナーには、1914年式フォード モデルTツーリング、1954年式ナッシュ メトロポリタン、1972年式ロータス エランS4が用意され、運転席などに乗車し、撮影を行うことができた。
このほかトヨタ博物館で販売される限定グッズを取り扱うミュージアムショップなども、お土産を求め、多くの人が集まっていた。
今回のエントリー車両で、最も新しいものは30年前に製造されたもの。その顔触れには、AE86型トヨタ カローラ レビンやFC3S型マツダ サバンナRX-7などと今なお現役として愛用している人も多い人気車も見られた。
身近な存在と思っていた80’sたちも、貴重な存在となりつつあることを改めて実感させられた。
今年のイベントは、ニコニコ動画によるニコニコ生放送が行われ、来場できない人も会場の雰囲気を味わうことができた。しかし、個性豊かなクルマたちが放つ音や雰囲気など、目の前にしなければ感じられないものもある。都心に、これだけの規模のクラシックカーが集まるのは、イベントはかなり希少だ。
ぜひ、来年はイチョウ並木の美しい光景を愉しみがてら、より多くに人に足を向けて欲しいと思う。
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