1980年~1990年代の日本のクルマ史において勃発したのが「280psバトル」だ。
行政指導によって日本国内の自動車用エンジンに最高出力規制(280ps)が設けられたのが1989年。交通事故での死者数増加に伴う規制で、日産がカタログスペック300psのモデルを発売しようとしていたことに端を発する。
規制値を超える出力のモデルが型式認定されなくなってしまった状況の中で、しかしその規制ギリギリまで到達する「馬力王」たちが続出することになる。
与えられた限界の中で花開いた、そんな9台のクルマをご紹介。
※本稿は2021年4月のものです
文/長谷川 敦、ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年5月10日号
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■日産 フェアレディZ(1989年)280ps/6400rpm
3L V6ツインターボの300psで発売予定だったが、規制で280psに変更されたZ32型。このマシンとR32GT-R、インフィニティQ45の登場が規制のきっかけに。
■日産 スカイラインGT-R(1989年)280ps/6800rpm
実質的には300ps超えだが、規制もあって280psに抑制された最初のモデル。4WDシステムの採用によって、そのパワーは余すことなく路面へと伝えられた。
■三菱 GTO Twin-Turbo(1990年)280ps/6000rpm
4ドアセダンと共通のシャシーを使用しているがゆえに大柄で、このビッグサイズに十分なスピードを与えるため、ツインターボの3L、V6エンジンを搭載。規制上限のパワーを持つ4WDのスポーツクーペ。
■ホンダ NSX(1990年)280ps/7300rpm
F1で大活躍を演じていたホンダが開発した、ブランド初のミドシップ2シータースポーツ。ドライバビリティを重視して採用された自然吸気式2977cc DOHCエンジンにVTECを搭載し、当然のように規制上限値に到達。
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