純正でマーヴェリック仕様は存在しないが、似ているモデルも
劇中で登場した黒×赤のGPZ900Rは、登場2年目の「A2」と言われる。しかし、そのものズバリのカラーリングは発売されていないのだ。似ているのは1984年型の「GPZ750R」。これは日本向けにボア×ストロークをダウンし、748cc化したモデルで、初代の黒×赤(G1)が最もトップガンカラーに近い。
しかし、ノーマルではサイドパネル下部が赤なのに対し、マーヴェリックのNinjaはブラック。また、フロントフェンダーの色が違い、メーカー名や車名も消されている。劇中の車両は、900に750の外装を装着し、オリジナルペイントされたとの説が濃厚。米国選手権AMAスーパーバイク参戦用にGPZ750Rが北米に数台輸出され、その外装が使用されたとも言われる。
レジェンドぞろいのカワサキ人気車の中では比較的買いやすい!
さてGPZ900Rは今も買えるのか。程度のいいタマは少ないものの、まだまだ購入可能だ。
GPZ900Rは、1999年のA12で国内仕様が生産終了。その後マレーシア仕様の生産が続けられたが、2003年型で殿堂入り。ファイナルエディションと呼ばれる最終型A16がラストとなる。カワサキによると「2002年までに累計8万台以上が生産」されたという。これだけのヒットモデルはそうそうなく、中古車のタマ数が減少する昨今ながら、在庫は潤沢にある部類だ。
筆者調べによるショップ相場は、約20年もの歴史を持つだけにピンキリだが、安いタマは乗り出し価格で70万台から。中心相場は130万~140万円台で、カスタム車や程度のいいノーマル車は200万円前後~と幅広い価格帯を形成。ハードカスタムでは300万円超のものもある。安い車両は主に1990年代前半までのタマで、バイクブームの影響もあってコロナ前より相場は全体的に30万円程度上昇しているようだ。
もちろんヤフオクなどの個人売買はより相場が安く、50万円以下のタマもある。
ファイナルエディションの当時新車価格は89万円なので、やはりプレミア相場ではある。しかしカワサキでは、Z1をはじめ、超高額な旧車が多数存在しており、それらと比較すれば、断然買いやすい相場と言えるのだ。
GPZ900Rの特徴としてカスタム車が主流。1980~90年代当時“Ninjaはカスタムしてナンボ”という風潮があり、ノーマル車両は貴重のため、高額で取り引きされがちだ。
なお、750はほぼタマがなく、もしあれば相場は900より大幅に安い。トップガンカラーである1984年型750や1985年型900の黒×赤は皆無で、ごくまれにカスタムペイントしたレプリカカラーが存在する。
36年ぶりの続編は世界最速の新旧Ninja共演も見どころ!
2019年の公開予定から度重なる延期を経て、ついに5月27日に披露された新作『トップガン マーヴェリック』にも“Ninja”はしっかり登場するようだ。
原稿執筆時点では未見ながら、予告映像では覆われたシートからGPZ900Rが現れる場面が登場。さらに現代のNinjaである「Ninja H2 CARBON」で滑走路を走るシーンがある。
Ninja H2は、市販バイク初のスーパーチャージャー搭載車で、2019年型から史上最強の231psを発生。撮影車は細部の色が異なり、クローズコース用であるH2Rのマフラーが装着されている。なおH2は撮影時点では現役だったが、残念ながら2021年モデルで生産終了となった。ちなみに中古車はまず見ない。
新作では、トップガンのリーダーとしてマーヴェリックが教官に復帰。彼が教える若きパイロットの中には、かつての相棒で飛行中に命を落としたグースの息子の姿もあるという。世界最速を誇った新旧Ninjaの共演は、世代交代など様々なドラマを象徴するかのようだ。
――36年前に胸を熱くしてくれた『トップガン』が、現代にどんな物語を紡ぎ出すのか、見ずにいられない!
【画像ギャラリー】トップガンカラーのGPZ900Rは果たしてどのモデル?(5枚)画像ギャラリー
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