鍵を出すこともなくスイッチでエンジンがかかるし、シフトチェンジもダイヤル式やスイッチ式のものが登場するなど、近年のクルマは、昔のクルマと比べるとずいぶん様変わりしています。昔のクルマには当たり前に付いてたのに、今ではすっかり見かけなくなったクルマの装備も。
消えていったクルマの装備を振り返りつつ、当時必要だった理由について、ご紹介します。
文:吉川賢一
写真:HONDA、Adobe Stock、写真AC
昔はあると便利だった「コインホルダー」
昨今の新型車ではほとんど見かけなくなった、コインホルダー。ハンドルの後ろ側やセンターコンソールに装備されていたコインホルダーに硬貨をいれておけば、駐車料金や有料道路の料金所などで便利だったことから、装備されていました。
しかし昨今は、ロック板式の事前清算駐車場が増えたことや、キャッシュレス決済の普及により、硬貨の出番は無くなりつつあります。必要ないだけでなく、車外からお金があることがみえてしまうので、車上荒らしに狙われる原因となるなど、マイナスな面もあることから、コインホルダーは装備されなくなっています。
当時からあまり必要なかった!? 「グローブボックスの鍵」
メルセデスやBMWなど、いまでも一部の輸入車にはグローブボックスに鍵が付けられていますが、国産車ではほとんど見かけなくなりました。セキュリティボックスとして、車検証などの大切なものを保管しておくために設けられていた装置ですが、そもそもセキュリティボックスとして使われることはなく、当時からそれほど必要性は高くありませんでした。
現在でいうと、ETC車載器をグローブボックス内に設置することで、ETCカードの盗難被害を防ぐことにはつながりますが、グローブボックスは「収納」として活用されていることも多く、物を取り出すたびに、いちいちグローブボックスを開錠する動作はめんどくさいの一言。廃止しても困るユーザーはいなかったのでしょう。
油圧計
エンジンオイルの油圧が下がってしまうと、エンジン本体の冷却や潤滑、防塵などが不可能となり、エンジンは故障してしまいます。そのため、2000GTやハコスカなど、かつては油圧計というしっかりとしたメーターを標準装備しているクルマがありました。
しかしながら、サーキットを走るようなユーザーならまだしも、徐々に下がる油圧を知ったところで、いつエンジンブローするかの予想が付く程度。一般の人には、今が大丈夫なのか、NGなのかが分かる「油圧警告灯」があれば十分なのでした。
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