洗車機メーカーと言えば、ガソリンスタンドやコイン洗車場、ディーラーなど、自動車業界向けの企業というイメージ。我々ユーザーとの関わりは薄いと思いがちだが、最近は変わりつつあるようだ。
日本で初めて洗車機を開発、販売したビユーテー(当時は竹内鉄工)が、洗車機を併設したコインランドリーを経営している。“洗いつながり”と言葉にするのは簡単だが、一体どんなお店なのだろうか? コインランドリーのある、岐阜県に向かった。
文、写真/青山義明
コインランドリーとしての設備は申し分なし
日本の老舗洗車機メーカー、タケウチテクノの洗車機を販売するビユーテーが直接経営を行うコインランドリーが「KOMACHI GINAN YATSURUGI」(岐阜県岐南町八剣北7−113−1)である。この事業に際し、ビユーテーではKOMACHI事業部を立ち上げてこれに臨んでいるのだ。
なぜ洗車機メーカーがコインランドリー? という素朴な疑問を持ちながらも、実際にコインランドリーの中へ入ってみると、室内には大中合わせて10台の乾燥機、それに大中小合わせて5台の洗濯・乾燥機という充実のランドリー機器が並んでいる。
それ以外にも靴が洗える「スニーカーランドリー」や スーツなどの除菌やホコリ・花粉の除去ができる「LGスタイラー」も完備している。さらに除菌シートも備えた広めのたたみ台もあり、コインランドリーとしての機能は十分と言える。
ハイスペック洗車機と拭き上げスペースを敷地内に設置
コインランドリーの敷地内にコイン洗車場がある。ドライブスルータイプのハイスペック洗車機である「雅プレミアム」が1基。下部洗浄やタイヤ泡洗浄などのオプション設定をてんこ盛りにした一台である。洗車で使用する水は水滴跡が残りにくい純水を使用しているのも特徴だ。
タッチパネル式の操作パネルにはこれまた簡単な文章で「汚れを落としたい!」、「水をはじかせたい!」、「すごく水が流れる!」、「コーティングしている車用」の4コースが設定されており、これにタイヤ洗浄とステロシャンプー(頑固な汚れ落とし)のオプションが用意されている。わかりやすくてシンプルなメニュー構成となっていて実にわかりやすい。
事前にメニュー決定から決済まで行えるアプリ「洗車Pay」で事前の申し込みを終えてしまっておけば、店舗に着いてからQRコードをかざすだけで受付完了。メニューや説明を解読する時間も省略でき、後ろに他のクルマが並んでいても慌てることなく洗車をすることができるようにもなっている。
価格設定は若干高めだが、全コースに下回り洗浄が最初から入っていたり、洗浄工程の回数を多く設定していたり、逆にお得感も感じられる設定となっている。もちろん、洗車機メーカーが直接しっかり管理をしている最高級機と考えると、これはアリだ。ちなみに専用アプリやプリカからの支払いとなると若干だがお得な料金設定となる。
4台分ある拭き上げ場は一般的な拭き上げスペースよりもさらにワイドを広く取っており、洗車機でしっかり洗い上げたあとに、これまたじっくり拭き上げが可能。このスペースには、エコロジークリーナーCL2(車内清掃機)と乾燥用ブローマシンSB1が2台ずつ備えられており、水滴とばしから室内清掃もじっくり行って、洗濯待ちの時間を有効につかえそうだ。ちなみに拭き上げ用のタオルは敷地内の自販機でも販売中である。
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