■あまり人に教えたくないおススメ車1:トヨタアクア
●買い得グレード:G(223万円)
●2022年の1か月平均登録台数:約5800台
●納期:約6か月
アクアはトヨタの売れ筋コンパクトカーとしては、登録台数が少ない。2022年1~10月におけるルーミーの1か月平均登録台数は約9400台、ヤリス(ヤリスクロスとGRヤリスを除く)は約6900台だから、アクアの約5800台は少ない。
大人気にならない理由は、同じプラットフォームを使う5ナンバー車のコンパクトカーとして、ヤリスが用意されるからだ。ヤリスではアクアと同様のハイブリッドに加えてノーマルエンジンも選べる。アクアはハイブリッド専用車だから選択肢が限られ、200万円以下のグレードも乏しいから登録台数も増えない。
その一方でアクアにはメリットが多い。ヤリスハイブリッドはホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2550mmだが、アクアは2600mmと長く、後席の足元空間も広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、ヤリスの後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々だが、アクアならコブシ2つ分が収まる。
アクアはホイールベースが長いこともあって乗り心地も快適で、走行安定性も優れている。価格の安いB以外のグレードには、設計の新しいバイポーラ型ニッケル水素電池を使って、動力性能にも余裕を持たせた。
アクアのウリのひとつでもある「快感ペダル」も挙げられる。ワンペダルで自在な加減速コントロールが可能で、ドライブモードをPOWER+を選択すれば加速の力強さが増すとともにアクセルオフの原則度が強くなり、アクセルペダルの操作だけで速度を調整しやすくなる。
さらにアクアは内装も比較的上質で、価格はGの2WDが223万円だ。ヤリスハイブリッドGに比べて8万5000円高いが、アクアGは前述の通り各種の機能を向上させ、100V・1500Wの電源コンセントやLEDヘッドランプも標準装着する。ヤリスにも6スピーカーが備わるなど優位性はあるが、総合的にはアクアGが買い得だ。
また新型プリウスがスポーティ&上級路線に移ってしまい、以前ほど低燃費を追わなくなったため、これまでのプリウスユーザー(特に50代以上の高齢者)が、35.8㎞/Lという低燃費で高級感もある普段使いに適したアクアに流れることが予想される。
■あまり人に教えたくないおススメ車2:ホンダフィット
●買い得グレード:1.5HOME(182万6000円)
●2022年の1か月平均登録台数:約5000台
●納期:約6か月
フィットはコンパクトカーの主力車種で、初代モデルは2002年に国内販売の総合1位になった。しかし現行型は売れ行きが低迷する。2020年に発売されたが、2016年に登場したフリードよりも登録台数が少ない。
販売が伸び悩む理由は2つある。ひとつはボディスタイルだ。スポーティ感覚が希薄で、フロントマスクのデザインも一般的ではない。2つ目の理由は、前述の通り今のホンダの国内販売では、軽自動車比率が50%以上に達することだ。フィットのユーザーは、N-BOXなどの軽自動車に奪われた。
ただしフィットも実用性が高い。全長が4m以下で、全高を立体駐車場が使いやすい1550mm以下に抑えた5ナンバー車では、車内が最も広い。後席の膝先空間は、アクアと同じ測り方で、握りコブシ2つ半に達する。
燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席を床面へ落とし込むように格納することも可能だ。この状態では荷室容量が大幅に拡大され、大きな荷物も積みやすい。後席の座面を持ち上げると、後席側のドアから車内の中央に、背の高い荷物を積むことも可能だ。多彩で実用的なシートアレンジを特徴とする。
外観は存在が乏しいが、水平基調のボディは視界が良い。コンパクトカーで大切な街中での運転のしやすさ、車庫入れのしやすさなどを追求した。先ごろの改良では、パワーユニットを改善して、ノーマルエンジンは排気量を従来の1.3Lから1.5Lに拡大した。
以前はハイブリッドのe:HEVに比べて、登坂路などでパワー不足を感じたが2022年10月のマイナーチェンジモデルから解消された。買い得グレードになる1.5HOMEの価格は182万6000円で、従来型に比べると5万8300円値上げされたが、排気量の拡大も考慮すると今でも買い得度は強い。
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