【祝40周年】クルマの事は全部これで学んだ!『よろしくメカドック!』が中野に降臨!

【祝40周年】クルマの事は全部これで学んだ!『よろしくメカドック!』が中野に降臨!

「よろしくメカドック」は1982年、少年ジャンプで連載スタートしたのちにアニメ化された大人気自動車マンガ。その40周年イベントが中野で開催されている。そこであまりにもマニアックすぎる「よろしくメカドック」を振り返ってみた。

文・写真/池之平昌信

■ストーリー性と細かすぎるクルマ話が大ヒットを生んだ

この素晴らしき描画タッチ。泣きそうです!
この素晴らしき描画タッチ。泣きそうです!

 メカドックを語る前に時代背景を説明せねばなるまい。70年代後半に時代を席捲し、社会現象とまで言われた「スーパーカーブーム」があった。ロータスやポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニといった輸入車が大活躍する劇画『サーキットの狼』が『週刊少年ジャンプ』に連載されて子供たちの心に火をつけたのだ。現在50・60代のおじさんたちはいわゆるそのスーパーカー世代であり、当時は運転免許も持ってないのにクルマの性能や特性を語ることができた!(きっぱり)

 そしてそのブームが落ち着いたころ、今から約40年前の1982年、当時300万部が発行されていたその『少年ジャンプ』に自動車マンガの連載がスタートした。それがのちにTVアニメ化もされるほどの大ヒットとなった『よろしくメカドック』なのだ。

 そのころにはスーパーカー少年たちも成長しており、高校生や大学生になっていたといってよいだろう。するとカウンタックやポルシェ、いや外車というものが普通は手の届かない夢であることに気付く。現実的には小型国産車やバイクを手に入れられればラッキー! といったレベルだった。

 だがそれでも「性能を引き出して走る」ことが楽しかったし、何より燃えた! メカドックの主人公・風見潤(若手メカニック)は、顧客のセリカやシティ、セルボといった庶民的国産車にそのクルマの特性を生かしたライトチューンを施す。そしてパトカーから逃げ廻ったり、ワインディングロードをスイスイと走り抜けるといったハナシから連載はスタートした。

 そしてそれはメカ的にはけっこう現実的な内容だったので、読者はかなり勉強になった。それは作者である次原隆二先生が自動車整備士免許を持っている! ということの説得力も大きかっただろう。

風見潤(中央)経理担当の中村一路(左)板金等担当の野呂清の3人がメカドックのスタッフだ
風見潤(中央)経理担当の中村一路(左)板金等担当の野呂清の3人がメカドックのスタッフだ

 とにかくこうして、くすぶっていたスーパーカー少年たちの心の炎が再びボーボーと燃え上がっていくことになったのだ!大好評・絶好調で連載がすすむうちに、マツダ・シャンテ(普通の軽自動車)にロータリー・ターボを積んだモンスターマシンも登場。

 ハナシはこのへんからいっきにヒートアップ! ライバルたちのRX-7、フェアレディZといった国産スポーツカーの戦いに風見はセリカXXを入手して、公道レース(キャノンボールトライアル)に挑むのだ。

 タイヤの空気圧や脱着から始まり、スパークプラグ、ツインカム、ターボチャージャー、ツインターボ、ロータリーエンジン、キャブレター、電子燃料噴射装置、ツインエンジン、インタークーラー、ニトロパワー、空力エアロパーツ、ハイドロプレーニング、フルタイム4WD…

 書き出していくとホントにキリがない。人間味あふれるストーリー展開のなかで、これらの知識やノウハウを図解付きで読者は勉強していった。つまり『メカドック』でドラテクからメカニズム、チューンアップ、レースまでを学んだ! といっても過言ではない。

 主人公らの活躍する舞台はゼロヨン、サーキット、マイレッジマラソン、オリジナルマシン製作と、どんどんステップアップしていき、最後は… 是非コミック等を読んでください!

次ページは : ■よろしくメカドックは40周年を迎えた

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