こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 超個性的な顔で目をひいたが時代にビンゴとはならず

■独自の設計思想で小さなクルマを革新する

 基本的なコンポーネンツは、車名にある通りミラージュシリーズと共通になっており、ボディサイズは全長を3885mm、全幅は5ナンバーサイズの1695mmとし、全高は居住性と実用性に有利な1635mmという高めの設定としている。

 外観は“イノベイティブ・コンパクト”というデザインテーマを掲げ、SUWの設計思想に基づく考え方が反映されていた。フロントまわりはターンランプを内蔵した縦型ヘッドランプを採用するとともに、コーナー部分を強く絞り込んだバンパーデザインとすることで、ひと目でそれとわかる個性を主張。

 フロントピラーとリアピラーの傾斜を立ち気味とし、フロントからリアへ続くフェンダーは厚みを持たせることでオーバーフェンダーを想起させる造形で5ナンバーサイズながら存在感を強調。さらにボディのサイド面を垂直に近づけるようデザインしたことで、独特の雰囲気を演出しながら、乗用車としての高い質感を感じさた。

フロントヘッドライトと同様のイメージを持たせた縦長の大型リアコンビランプを採用。印象的なデザインとしながら、良好な視認性も確保できた
フロントヘッドライトと同様のイメージを持たせた縦長の大型リアコンビランプを採用。印象的なデザインとしながら、良好な視認性も確保できた

 SUWとして見逃せないのは、広く快適で使い勝手のいい室内空間である。ディンゴのインテリアは、凹凸の少ないシンプルな作りを特徴とするが、“走るリビングルーム”をキーワードとすることで、居住空間を極力大きくして乗員が心地よく過ごせることに注力されている。

 運転席まわりは、「スマートシフト」と呼ぶシフトレバーをコラムと足踏み式のパーキングブレーキを採用することで、中央に凹凸のないフラットフロアを実現。これにより前後のウォークスルーはもちろん、左右にもスムーズに移動できる「Hウォーク」を可能にしている。

 リアシートには左右独立して調整可能なシートスライド機構が備わっており、乗る人みんながリラックスできる。Hウォークによる仕切りのないワンルーム感覚の室内と、どの席でもゆったり乗車できることが、走るリビングルームと銘打つだけのことはあると納得させてくれる。

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