■VTECエンジンの動力性能と卓越したハンドリングが魅力
ユーロRに関しても、本格スポーツセダンとして与えられた内容はアコードと同様だ。その心臓部には、最高出力220馬力を発生する2.2L VTECエンジンが搭載される。
リッター当たり100馬力というパフォーマンスは、まさに「R」の称号にふさわしく、高回転領域まで力強くまわり、専用ギアレシオの5速マニュアルミッションとの組み合わせによって、爽快な加速性能とドライバーの意志に即応する気持ちのいい走りを味わわせてくれた。
エンジン本体の能力が高いことに加え、ツインサイレンサーの採用で吸排気効率の向上を図ったことで動力性能は高い次元に引き上げられていたことも、走行性能を飛躍的に高めた要因と言っていい。またスポーツ性能だけでなく、平成12年排出ガス規制に適合するなど、環境性能を度外視していなかったのも見逃せないポイントのひとつだ。
セダン特有の重心の低さを活かしながら、専用ローダウンサスペンション、16インチの軽量アルミホイールと205/50R16のハイグリップタイヤを装着。適度に引き締められた足まわりとバネ下重量の軽減によって、スポーツカー顔負けのハンドリング性能を実現。
もともと高い剛性を誇るボディをさらに強化したこと、高い速度域からでも安定した制動力が得られるブレーキを奢ることで、ハイレベルな能力を思う存分コントロールできるクルマに仕上げられていた。
スポーツモデルとはいえ走り一辺倒ではなく、快適な乗り心地や扱いやすさというセダンとしての資質が損なわれていない。まさに群を抜く限界性能と快適な乗り心地を高い領域で両立させるという、ピュアスポーツとは違った難しい設定を見事に完成させていたのだ。
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