こんなクルマよく売ったな!!【愛すべき日本の珍車と珍技術】異業種合同プロジェクトで生まれたWiLL VS ステルス戦闘機を想わせる超個性派ハッチバック!

■ステルス戦闘機を想起させる先鋭的デザイン

 低くワイドに構えたバンパーと中央が突き出た押し出しの強い造形で構成されるフロントまわりは、「シャープ&ソリッド」という狙いを表現したもので、それまでハッチバックにはなかった新しいテイストを創出した。

 高いベルトラインが特徴的なサイドは、シンプルで引き締まったドア断面とするとともに、リアドアからバックウインドウまでプライバシーガラスを採用することでパーソナル感を漂わせている。

 リアはキャビン後端がググッと絞り込まれ、これがシャープなイメージの演出に効いている。ただ、当時はかなり先鋭的すぎて、自分のこだわりを重視した商品選びをするニュージェネレーション層でさえ、やや引き気味に見ていた感は否めない。

リアまわりは過度に飾ることなくあえてシンプルな造形としているが、それでも独特の個性が表現されている
リアまわりは過度に飾ることなくあえてシンプルな造形としているが、それでも独特の個性が表現されている

 ブラックでコーディネートされた車内はシックな雰囲気を漂わせているが、コンビネーションメーターやシフトレバーなどは航空機をモチーフにデザインされており、センターコンソールにアルミパネルを多用するなど、随所に特別なクルマであることを強調するためのこだわりが散りばめられている。

 シートは単品ではなく左右一対でデザインされ、乗員ふたりの空間であることを強く意識させることに注力している。表皮はファブリック仕様を標準とするが、オプションの本革は座席中央部に艶のあるオーガニックバターンをエッチングし、異素材が織りなす絶妙なコントラストで大人の粋を演出していた。

 デザインを優先しているように思えるが、使い勝手に対する配慮もしっかりとなされており、前席を中心に使いやすい位置に収納スペースを設定。荷室スペースも普段使いはもちろん、旅行などのレジャーなどの用途も考慮したスペースを確保し、6対4分割可倒式シートも備えることで多彩なニーズに対応できる。

次ページは : ■見た目は個性重視でも走りは扱いやすい特性を重視

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