■FFのメリットを活かして車内の広さはセルシオレベル
車内はFFレイアウトとビッグキャビンの採用に加え、サイドウインドウ面を立てることで同クラスのセダンをはるかに凌駕する広さを確保。前後席とも肩まわりや足もとには十分なゆとりがあり、特に後席の膝まわりは前席と後席のヒップポイント間距離を990mmとしたことで、足を組んでゆったりと乗車できる。5人/6人乗りが選べたのだが、6人乗りの場合コラムシフトとなり前後ともにベンチシート。全幅の広さからかなり寛げるパッケージングだった。
また、地上からのヒップポイント高さが、前、後席とも550mmに設定され、頭部や腰部の上下移動の少ない自然な姿勢で乗り降りできるのも心地よさをもたらす要素となっている。
セルシオやクラウンといったひとクラス上のモデルほど華美な装飾はなされていないが、明るく高級感のあるアイボリー基調のツートーン配色や、要所にあしらった木目調パネルによってラグジュアリーな雰囲気が漂う。広い室内でゆったり心地よくドライブできるという特徴は、FF最高級セダンを標榜し、新しい高級を提案したプロナードのセールスポイントのひとつに挙げられる。
FFパッケージは十分なトランク容量の確保にも貢献。562Lという大きなスペースには、大型スーツケースが4個収納できるほかゴルフバッグも余裕で積載できる。開口部を低くするとともに荷物の固定に便利なフックやネットを採用し、トランクスルー機能も備わっているので、日常の用途なら使い勝手にまったく不満はない。
心地いい移動を提供することへのこだわりは、充実した装備にも見てとれる。シートは前後ともに豊かな量感を持ち、乗員の身体をしっかりと支えるフィット感があるため長時間のドライブでも快適性を維持できる。
エアコンは運転席と助手席での独立した温度コントロールが可能なうえに、花粉などを除去するクリーンエアフィルターを全車に標準装備。上級グレードには後席にも吹き出し口が設けられるなど、同乗者に対する配慮も万全だ。
インパネ中央には、当時としては大型な7インチワイドディスプレイのエレクトロマルチビジョンを搭載。燃費や走行可能距離をはじめとした情報のほか、ナビゲーション画面を表示する。
ナビはDVD方式が採用され、経路探索処理速度が大幅な向上や、目的地の住所戸番レベルでのピンポイント検索が可能。さらにFM多重放送、VICS受信機器への接続、自動車向け情報サービスのトヨタ情報通信システム・モネ(MONET)にも対応する。こうした機能性の高さも快適な移動に寄与する要素だった。
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