■アメリカへ旅立つホンダ期待の新星
一方のホンダだが、トヨタの発表の約半月後に、太田格之進がIMSAの公式テストにアキュラで参加。このテストで太田が好走を見せた太田は、正ドライバーとして起用されることが決まった。ぜひ頑張って欲しい。
それにしてもなんとも唐突な発表で、なぜ今、IMSA、そして太田なのか。理由をホンダ関係者に聞いてもハッキリした答えは返ってこなかった。ただ聞くまでもないのは、これまでアメリカで日本人の顔として活躍してきた佐藤琢磨に、そろそろ引退の時期が近づいていること。
またF1に日本人を送り込むよりはIMSAのほうが何かとお手頃なこと、そして太田の英会話能力に問題がないということだ。ともあれ、テスト参加が決まった後のSF最終戦で太田が見せた速さと強さは、タイトルを争っていた坪井を含めた他の3人と比べてもズバ抜けていた。人間、目標がハッキリしているとこうも気迫や目の色が違うものかと感じたのは筆者だけではなかったと思う。
トヨタの活動を「人材派遣」と書いたが、別に茶化しているわけではない。トヨタにしろホンダにしろ、一般の派遣会社が派遣先の企業から手数料を頂戴するのとは逆に、若者の外部派遣にあたっては何らかの形で「お支払い」が必要であろうことは想像に難くないが、それでもやるべきと判断したからこその取り組みなのだろう。
またドライバーの派遣について、両社ともSFでの成績がマストと謳っているわけではないが、欧州F2と比べ世界の注目度もスーパーライセンスポイントも低かったSFにとっては、カテゴリーとしてアピールするチャンスでもある。
今季のSFは、実力に難のある選手の存在で周りが余計な気を遣いながら走ることを強いられたり、危険走行を繰り返す選手にペナルティが一度も課されなかったりと、国内最高峰の名折れとしか言い様がない事象が多々見られた。
来季のSFには、F2に引けを取らないハイレベルなレース競技であることを全面に打ち出す施策を期待したい。そうしてこそSFが日本の最高峰レースであることを証明できるとのだと信じている。
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