いよいよ5月17日に予選を控えているフォーミュラE東京E-Prix。絶好調の日産勢母国優勝やヤマハ初の凱旋レースと話題は盛りだくさん。テレビでの放送もあるとのことなので、レースをもっと楽しく観戦するためにフォーミュラEの基本を今一度!!
文・ベストカーWeb編集部 鈴村朋己/写真:日産、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】サクラがメインの特別カラーかわいい!! 母国で輝け!! 日産フォーミュラEチーム(6枚)画像ギャラリー日産は電動フォーミュラカーレースに挑戦を続ける意義
2014年に創設された電気自動車のモータースポーツカテゴリーのパイオニアであるフォーミュラE。世界各国市街地を中心に転戦し、日本でも2回目の開催を迎えることとなった。今年は土曜日、日曜日の2日間開催となる。
2018-2019年シーズンからフォーミュラEに挑戦し、2024-2025年シーズンで参戦6年目を迎えた日産フォーミュラEチーム。5月17日からのレースに先立ち、2023年-2024年シーズンまでチームパワートレインエンジニアを務めていた西川直志氏が見どころを語ってくれた。
日産がフォーミュラEに挑戦を続ける意味。それは日産が掲げる電動化技術のアピール、そしてフォーミュラEを通して培われた技術を市販車にフィードバックし、ワクワクしたクルマ作りに繋げることだと西川氏。
なお、フォーミュラEのシャーシやサスペンションなどワンメイクで統一されている一方で、リアモーターは独自開発が可能。「日産R&Dの技術の高さを証明できる機会になった」と西川氏は語る。
今シーズンはマシンがパワーアップ!!
Gen3と呼ばれているフォーミュラEのマシンは、2024-2025シーズンでいくつかアップデートがなされ、Gen3 EVOへと進化を遂げている。なかでも注目なのは、予選とレーススタート、アタックモード時において、初めて4輪駆動機能の利用が可能になったことだ。
この結果、加速と制御を最大限に高め、パフォーマンスと戦略の両面でスリリングな展開を作り、ドライバーとファンによりエキサイティングなレースを提供できるようになった。
また、タイヤには35%のリサイクル素材と持続可能な素材を使用することで、昨シーズン比で5~10%のグリップ力を向上させているのもポイント。
さらに、ピットブーストと呼ばれるレース中に急速充電ができる新システムを導入。決勝レース中に超急速充電を30秒間行うことで、10%エネルギー供給を図ることができるのだ。
エネルギーマネジメントが勝負の分かれ目に!!
フォーミュラEは速さを競うだけでなく、大会ごとに決められているバッテリー量を上手にマネジメントしながらレースを争わなけば勝ち目はない。つまり、ドライバーには巧みなエネルギーマネジメントが求められている。
レース中にドライバーとコミュニケーションを取りながら戦略を伝えるエンジニアにとっては、マシンのエネルギー残量は常に知りたいところ。しかし、フォーミュラEではレギュレーションによって、ピット内では把握をすることができない。
ではどうするのか? 方法は2つで、1つ目はテレビ画面上に短時間だけ表示されているものを確認する。つまり、テレビで観戦しているファンたちと同じ状況なのである。
そしてもうひとつは、ステアリングには表示がなされるため、ドライバーから無線を通して把握。ただし、バカ正直に話してしまうとライバルたちに戦略がバレてしまうため、ステアリング下に表示される暗号を伝達する。緻密な駆け引きを行いながら、エネルギーマネジメントを試みているのだ。
2024ー2025年シーズンは、日産フォーミュラEチームの23号車をドライブするオリバー・ローランド選手が、ドライバーズランキングで現在トップ。
昨年の東京E-Prixではポールポジションを獲得するもレースでは悔しい2位。絶好調の勢いをキープしたまま、母国で優勝する姿を見せてほしい。やっちぇ日産!!










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