新規参入しやすい環境が整うが、果たしてポルシェ・アウディは参戦するのか?
これらの新規則は新規参入を考えるメーカーには開発がしやすく魅力的かもしれないが、技術のコンペティションこそがF1と考えると、これは果たしてそれほど魅力的だろうか。規則の根底にはパフォーマンスの均一化がある。チームやPU格差がなるべく表に出ず、各社の条件が均一化することで、PU格差、チーム格差がないようにと考えられるし、バイオ燃料エンジンの開発だけで、どれほどのメーカーが本気で参入するのだろうか。
現在ポルシェがレッドブル・パワートレインズに株式50%分の投資をして26年以降のエンジン開発の参入をするという。この交渉があったことはポルシェ・レッドブル双方ともに認めている。しかし公式契約の話はまだ全く無く、ポルシェの見解は26年の正式な規則の発表次第……という。
同じくフォルクスワーゲングループのアウディもアルファロメオの買収でワークスチームとしての参戦がいわれているが、これも26年規則次第という。
果たして巨大なドイツメーカーそれも同じグループの二つが同時にF1への参入とは一般的には考えにくい。唯一参入利点があるとするなら、現行F1のオーナーがアメリカであり、F1のアメリカ人気の高まりと、オースチン、マイアミ、ラスベガス……と現在3つものF1グランプリが組まれていており、今後も増える可能性が十分にあることだろう。
世界情勢上、今後ロシア、中国等のマーケットの不透明さもあり、アメリカ需要にシフトすると考えるならあり得る話かもしれない。
【画像ギャラリー】バイオ燃料のパワー低下を、電気でカバー 2026年のPUは1000PS前後?(4枚)画像ギャラリー津川哲夫
1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
1978年にはサーティスのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。
F1メカニック引退後は、F1ジャーナリストに転身。各種メディアを通じてF1の魅力を発信している。ブログ「哲じいの車輪くらぶ」、 YouTubeチャンネル「津川哲夫のF1グランプリボーイズ」などがある。
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