2022年11月10日~13日の日程で、愛知県と岐阜県にて開催される「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」。12年ぶりの日本開催となるWRCの興奮を、ゼッケン47番ルノー・ルーテシアで参戦する国沢光宏氏が直接レポートしてくれた。お薦めの訪問日やポイントも紹介してくれております!!
文/国沢光宏、画像/国沢光宏、MAP/中川紀子
■思わず「たんなるWRCファン」になってしまう…
ラリージャパンが始まった! といっても月曜日から水曜日までの3日間は「レッキ」と呼ばれる下見走行。本番で使われるコースを2回ずつ走り、ペースノートを作ります。具体的に書くと1回目はドライバーがコーナーの角度やコーナーとコーナーの距離、本番で走ろうとする走行ラインを読み上げ、コ・ドライバーが書き留める。2回目はコ・ドライバーに読んでもらい、正確かどうかを確認します。
当たり前のことながら、レッキしているとWRCのTOPドライバーといろんな場所で出会う! 次のSSまで移動している時に追いついてきたり、逆に追いついたり。TOPチームはすべてレッキ車を日本に空輸してきており、ナンバーもすべてラリーナンバー(仮ナンバーに見えるけれど違います)。GRヤリスで「69番」の小さいステッカー貼ってあればカッレ・ロバンペラであります。
はたまたBMW1シリーズに11番のステッカー貼ってあったらティエリー・ヌービルといった具合。何カ所かに「レッキサービス」(レッキ中の軽食などを取る)が作られており、恵那の山の中の駐車スペースにセバスチャン・オジエとかが立っているのを見ると、「ここ、日本か?」。選手やジャーナリストというより、たんなるWRCファンになってしまう。悲しいかな写真撮りまくりでございます。
■「これ超便利!!」だったのはなんと…リミッター??
ラリージャパンのSSの印象を海外選手に聞くと、「凄いね!」。
例えばSS2とSS5は同じなのだけれど、23kmに渡ってずっと1速とか2速のコーナーが続く! おそらくWRCのターマックラリーで最もアベレージ速度が遅いと思う。選手からすれば楽しくはないです。一方、箱根ターンパイクのような高速のSSもある。今年は最初ということで楽しくない道もあるかもしれないが、来年以降に期待したい。
いっぽう「NUKATA」や「MIKAWAKO」のように集落の中を走るSSはすばらしい! 日本の美しい風景の中、村の中の道を全開で走り抜ける。三河湖なんか湖畔の料理屋さんの横を通ったりして! 今年は観戦場所を十分に確保できなかったようだけれど、来年以降、すばらしい観戦場所がたっくさん作られること間違いなし! もちろんリエゾンは今年もすべてのラリー車通過ルートで見られる。
ちなみにラリージャパンの場合、レッキ中の制限速度は60km/h。すべての車両にGPSが搭載されており、それ以上の速度を出すと本部オフィスにデータが飛ぶ。実際、火曜日のレッキで14km/h速度オーバーしたドライバーがいて、FIAに警察の3倍くらいの罰金を取られるのだった。厳しいです。私が今回レッキ車として使ったルーテシアは制限速度リミッター付き。
今まであまり利便性を感じたことはなかったのだけれど、今回「超いいね!」。60km/hにセットしておくと、アクセルを踏んでも実車速で59km/hくらいまでしか出ない。
余談になるけれど、これ、一般道でも積極的に使える。スピードメーターとにらめってしながら走ることなんかできない。速度リミッターをセットしておくと、うっかりミスをしないで済むのだった。
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