トヨタが6度目のWECチャンピオン決定!! ルマンの「BOP問題」佐藤恒治社長に聞いてみた

■ルマンで話題になったBOP問題はどう感じた?

なんとトヨタはWECで5シーズン連続、通算6度目のチャンピオン獲得である。凄すぎる!!!
なんとトヨタはWECで5シーズン連続、通算6度目のチャンピオン獲得である。凄すぎる!!!

Q.今年のル・マンで問題となったBOPについて、改めてどう考えますか。

A.ル・マンで豊田章男会長が発信した通りです。モータースポーツの健全性というか、アスリートが健全なルールのもとに自分たちの技と技術を競っているのがこの場じゃないですか。

 特にル・マンは日本の自動車産業にもつねに技術革新をもたらしてきた。健全な競争があるから生まれた技術があって、自動車産業は発展してきたわけですよ。我々はそこにエンゲージしてるので、政治的にしては絶対にいけない。

 政治になった瞬間に我々がそこに留まる理由がなくなるんです。なにカッコつけてるんだと言われるかもしれませんが、本気でモータースポーツで1人でも多くの人を笑顔にしたい。

 モータースポーツでいろんな人が鍛えられて、いいクルマが作れるようになる。それもまた多くの人を笑顔にできる。シンプルなんです。だからそこを政治の世界にしたくない。なのでACOにも我々のスタンスはハッキリ伝えています。もの言うマニュファクチャラーとしてね(笑)。

Q.小林チーム代表はハイパーカークラスにBOPは必要ないのでは?と発言している。

A.技術を含めた競争をもっとやりたいんです。レギュレーション上、いまハイブリッドシステムを大きくいじることはできません。でもハイブリッドにはまだまだ可能性がある。我々はハイブリッドの技術をここで磨いてきました。WECでハイブリッドをもっと育てたいし、それでレースをもっと面白くできると思います。

Q.F1はレッドブルが独走してもレギュレーションで止めることはありません。

A.止めないですね(笑)。

Q.トヨタの挑戦、F1じゃダメですか(笑)?

A.モータースポーツでクルマを鍛えることを考えた時に、耐久レースというのは我々にとってとても大事な環境です。今日は北海道で全日本ラリーをやってますが、ラリーも究極の耐久レースです。

 我々のプライオリティはまずそこにある。認知度などではなく、良いクルマを作るのにどの環境がいいのかという考えで参戦カテゴリーを決めています。

 もちろん最近のF1の動きは僕自身もウォッチしていて、電動化に資するユニットの開発だとか、カーボンニュートラリティに効果のあるeフューエルなどのカーボンスキームもこれから大きく成長していくだろうと理解しています。

 ただウチはそういう取り組みはS耐はじめ他の様々なカテゴリーで自分たちなりにやれているつもりです。F1に行かなきゃできないことが見つかれば別ですけど、いまのところクルマを鍛えたいという我々のスキームに対しては、いま参戦しているカテゴリーでやっていけると思っています。

次ページは : ■BOPとはこれからどう向き合う?

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