2023年スーパーGT最終戦もてぎ 500クラスは36号車が優勝し年間タイトルも獲得 300クラスは88号車が初優勝、年間タイトルは52号車に

2023年スーパーGT最終戦もてぎ 500クラスは36号車が優勝し年間タイトルも獲得 300クラスは88号車が初優勝、年間タイトルは52号車に

 春から約半年間に8戦を戦ってきたスーパーGTシリーズ。いよいよ最終戦となるもてぎ300kmレースが11月4,5日に開催された。500クラスのチャンピオンをかけたバトルは途中まで波乱含みの展開に。が、最後は地力がものをいったか36号車が逃げ切って優勝とチャンピオンを手中に収めた。

文/篠崎元信、写真/奥隅圭之


■ポールポジションの1ポイントが必須の3号車が気合の走りを見せた予選

 500クラスではランキング2位から逆転で年間チャンピオンを狙う3号車Niterra MOTUL Zが、練習走行、Q1、そしてQ2でも速く1‘35.539でP.P.に。ランキング1位の36号車au TOM’S GR SupraはQ1を5位で通過しQ2では3位に収まった。ランキング3位の16号車ARTA MUGEN NSX-GTは、最後の最後にさされて9位に終わりQ1通過ならず厳しい状況に。

逆転でのチャンピオンを狙った3号車(千代勝正/高星明誠)は狙い通りにポールポジションを取ったが、レース終盤に不覚をとった
逆転でのチャンピオンを狙った3号車(千代勝正/高星明誠)は狙い通りにポールポジションを取ったが、レース終盤に不覚をとった

 300クラスのQ1は、Aグループでは88号車のJLOC ランボルギーニGT3、Bグループは2号車 muta Racing GR86 GTがトップで通過。2号車は1‘45.633とQ2でも速くP.P.を獲得し、かろうじて逆転チャンピオンの可能性をつないだ。ランキング1位の52号車埼玉トヨペットGR Supra GTはQ2の7位に終わったがポイント圏内ではある。

300クラスP.P.の2号車 muta Racing GR86 GT(堤 優威/平良 響)は優勝すれば、52号車がノーポイント(11位以下)なら逆転でチャンピオンに
300クラスP.P.の2号車 muta Racing GR86 GT(堤 優威/平良 響)は優勝すれば、52号車がノーポイント(11位以下)なら逆転でチャンピオンに

■赤旗もSC導入もなかったが、断続的な雨で難しい路面状況がドラマを生んだ

 ここで第7戦までのランキングと、年間のチャンピオン獲得の条件を整理してみると…。GT500のランキング1位は69Pの36号車の坪井/宮田組。2位は62Pで追う3号車の千代/高星組。7ポイント差だが今回P.P.を取り1ポイント加算されるので6ポイント差になった。

3位で終わると逆転されることもあり得たが、2位に浮上し自力でチャンピオンを獲得した<br>36号車 au TOM’S GR Supra(坪井 翔/宮田莉朋)
3位で終わると逆転されることもあり得たが、2位に浮上し自力でチャンピオンを獲得した
36号車 au TOM’S GR Supra(坪井 翔/宮田莉朋)

 36号車は2位以上なら自力でチャンピオン確定。3位だと80P止まりで、3号車が優勝すると83Pになるので逆転される。3位の16号車は今回9番手スタートなのでよほどのことがない限り逆転は難しい状況だ。

 という状況で始まった決勝レース。P.P.からスタートした3号車が快調にトップを走り、3位スタートの36号車は多少の浮き沈みがあるも41周目に2位に浮上。自力チャンピオンの圏内に入った瞬間だ。


 レースが後半になっても3号車はトップを維持していたが、59周目のS字コーナーでスピンしコースオフ。ポイント圏外まで下がり逆転は絶望的になった。2位だった36号車がトップに浮上し優勝とチャンピオンを獲得。2位に23号車、3位に17号車が入った。

500クラスの表彰式。これで1年間、全8戦のレースが幕を下ろす。500クラスは今年から燃料がCNFに切り替わり新たな時代を迎えた
500クラスの表彰式。これで1年間、全8戦のレースが幕を下ろす。500クラスは今年から燃料がCNFに切り替わり新たな時代を迎えた

【500クラス順位】
1位=No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)
2位=No.23 MOTUL AUTECH Z〈松田次生/ロニー・クインタレッリ〉
3位=No.17  Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)

【500クラスドライバーランキング】
1位=No.36 坪井 翔/宮田莉朋 …89P
2位=No.3 千代勝正/高星明誠  …63P
3位=No.23 松田次生/ロニー・クインタレッリ …56P

500クラスの2023年ドライバーチャンピオンに輝いた坪井翔/宮田莉朋コンビ
500クラスの2023年ドライバーチャンピオンに輝いた坪井翔/宮田莉朋コンビ

 一方、300クラスは52号車がランキングトップで2位に20ポイント差を付けているため、このもてぎで1ポイントでも取れば、2位の2号車が優勝しても自力で確定できる。

300クラスのランキングトップ52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)。<br>金持ち喧嘩せず?で7番手スタートから7位入賞でチャンピオンに
300クラスのランキングトップ52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)。
金持ち喧嘩せず?で7番手スタートから7位入賞でチャンピオンに


 決勝レースではP.P.スタートの2号車と2位スタートの88号車のバトルの結果、88号車が初優勝を遂げた。2位は65号車、3位は6号車だった。ランキングトップの52号車は冒険せずに7位でゴールし、初のチャンピオンを確定させた。

2番手スタートから逆転で初優勝を遂げた88号車 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)
2番手スタートから逆転で初優勝を遂げた88号車 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

【300クラス順位】
1位=No.88 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)
2位=No.65 LEON PYRAMID AMG〈蒲生尚弥/篠原拓朗〉
3位=No.6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)

300クラスの表彰式。3位に入った6号車 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)は13番手からの大躍進だった
300クラスの表彰式。3位に入った6号車 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)は13番手からの大躍進だった

【300クラスドライバーランキング】
1位=No.52 吉田広樹/川合孝汰 …74P
2位=No.2 堤 優威/平良 響 …53P
3位=No.56 J.P.デ・オリベイラ/名取鉄平 …50P

300クラスのチャンピオンを初めて獲得した吉田広樹/川合孝汰組。<br>スタッフはディーラーの社内チームだというから凄い!
300クラスのチャンピオンを初めて獲得した吉田広樹/川合孝汰組。
スタッフはディーラーの社内チームだというから凄い!

【GT500チームランキング】*チーム名/車両/メーカーの順
1位 109P TGR TEAM au TOM’S/au TOM’S GR Supra/TOYOTA
2位  85P NDDP RACING/Niterra MOTUL Z/NISSAN
3位  74P NISMO/MOTUL AUTECH Z/NISSAN
4位  73P ARTA/ARTA MUGEN NSX-GT/HONDA
5位  69P TEAM IMPUL/MARELLI IMPUL Z/NISSAN

【GT300チームランキング】
1位 95P 埼玉トヨペットGreen Brave/埼玉トヨペットGB GR Supra GT/ TOYOTA
2位 71P muta Racing INGING/muta Racing GR86 GT/TOYOTA
3位 70P KONDO RACING/リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R/NISSAN
4位 64P BMW M Team Studie x CRS/Studie BMW M4/BMW
5位 61P JLOC/JLOC Lamborghini GT3/Lamborghini

【画像ギャラリー】2023年スーパーGT最終戦もてぎ 500クラスは36号車が優勝し年間タイトルも獲得 300クラスは88号車が初優勝、年間タイトルは52号車に(9枚)画像ギャラリー

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