春から約半年間に8戦を戦ってきたスーパーGTシリーズ。いよいよ最終戦となるもてぎ300kmレースが11月4,5日に開催された。500クラスのチャンピオンをかけたバトルは途中まで波乱含みの展開に。が、最後は地力がものをいったか36号車が逃げ切って優勝とチャンピオンを手中に収めた。
文/篠崎元信、写真/奥隅圭之
■ポールポジションの1ポイントが必須の3号車が気合の走りを見せた予選
500クラスではランキング2位から逆転で年間チャンピオンを狙う3号車Niterra MOTUL Zが、練習走行、Q1、そしてQ2でも速く1‘35.539でP.P.に。ランキング1位の36号車au TOM’S GR SupraはQ1を5位で通過しQ2では3位に収まった。ランキング3位の16号車ARTA MUGEN NSX-GTは、最後の最後にさされて9位に終わりQ1通過ならず厳しい状況に。
300クラスのQ1は、Aグループでは88号車のJLOC ランボルギーニGT3、Bグループは2号車 muta Racing GR86 GTがトップで通過。2号車は1‘45.633とQ2でも速くP.P.を獲得し、かろうじて逆転チャンピオンの可能性をつないだ。ランキング1位の52号車埼玉トヨペットGR Supra GTはQ2の7位に終わったがポイント圏内ではある。
■赤旗もSC導入もなかったが、断続的な雨で難しい路面状況がドラマを生んだ
ここで第7戦までのランキングと、年間のチャンピオン獲得の条件を整理してみると…。GT500のランキング1位は69Pの36号車の坪井/宮田組。2位は62Pで追う3号車の千代/高星組。7ポイント差だが今回P.P.を取り1ポイント加算されるので6ポイント差になった。
36号車は2位以上なら自力でチャンピオン確定。3位だと80P止まりで、3号車が優勝すると83Pになるので逆転される。3位の16号車は今回9番手スタートなのでよほどのことがない限り逆転は難しい状況だ。
という状況で始まった決勝レース。P.P.からスタートした3号車が快調にトップを走り、3位スタートの36号車は多少の浮き沈みがあるも41周目に2位に浮上。自力チャンピオンの圏内に入った瞬間だ。
レースが後半になっても3号車はトップを維持していたが、59周目のS字コーナーでスピンしコースオフ。ポイント圏外まで下がり逆転は絶望的になった。2位だった36号車がトップに浮上し優勝とチャンピオンを獲得。2位に23号車、3位に17号車が入った。
【500クラス順位】
1位=No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)
2位=No.23 MOTUL AUTECH Z〈松田次生/ロニー・クインタレッリ〉
3位=No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)
【500クラスドライバーランキング】
1位=No.36 坪井 翔/宮田莉朋 …89P
2位=No.3 千代勝正/高星明誠 …63P
3位=No.23 松田次生/ロニー・クインタレッリ …56P
一方、300クラスは52号車がランキングトップで2位に20ポイント差を付けているため、このもてぎで1ポイントでも取れば、2位の2号車が優勝しても自力で確定できる。
決勝レースではP.P.スタートの2号車と2位スタートの88号車のバトルの結果、88号車が初優勝を遂げた。2位は65号車、3位は6号車だった。ランキングトップの52号車は冒険せずに7位でゴールし、初のチャンピオンを確定させた。
【300クラス順位】
1位=No.88 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)
2位=No.65 LEON PYRAMID AMG〈蒲生尚弥/篠原拓朗〉
3位=No.6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)
【300クラスドライバーランキング】
1位=No.52 吉田広樹/川合孝汰 …74P
2位=No.2 堤 優威/平良 響 …53P
3位=No.56 J.P.デ・オリベイラ/名取鉄平 …50P
【GT500チームランキング】*チーム名/車両/メーカーの順
1位 109P TGR TEAM au TOM’S/au TOM’S GR Supra/TOYOTA
2位 85P NDDP RACING/Niterra MOTUL Z/NISSAN
3位 74P NISMO/MOTUL AUTECH Z/NISSAN
4位 73P ARTA/ARTA MUGEN NSX-GT/HONDA
5位 69P TEAM IMPUL/MARELLI IMPUL Z/NISSAN
【GT300チームランキング】
1位 95P 埼玉トヨペットGreen Brave/埼玉トヨペットGB GR Supra GT/ TOYOTA
2位 71P muta Racing INGING/muta Racing GR86 GT/TOYOTA
3位 70P KONDO RACING/リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R/NISSAN
4位 64P BMW M Team Studie x CRS/Studie BMW M4/BMW
5位 61P JLOC/JLOC Lamborghini GT3/Lamborghini
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