ジムカーナの達人 山野哲也が「ジェイドRS」の魅力を語る ―マイ・ベストカー(1)

早いもので2016年も12月。今年はプリウスやインプレッサをはじめとした人気車がフルモデルチェンジ、またNSXが発売されるなどスポーティカーのジャンルも注目を集めた1年だった。ところで、ほんの1年前の2015年のことを、覚えているだろうか。今回はレーシングドライバーの山野哲也氏が発見した「2015年のとっておきのベストカー」を2台紹介することにする。まずは国産車のホンダ「ジェイドRS」だ。

語り:山野哲也

ベストカープラス2016年2月18日


ジェイドRSにぜひ「座って!」みて

とっておきのベストカーっていうと、今すごく伝えたいクルマが2台あるんだ。

まずひとつはホンダのジェイドRS。レーシングドライバーの僕がこのクルマを挙げるのは、意外かもしれないけど、びっくりするほど気持ちいいクルマなんだよね。これ、どうやって作ったんだろって思うくらいに、乗り味が気持ちいい。凄いしっとりしていて、ステアリングインフォメーションがすこぶるいいんだよね。それは単にクイックとかいう問題じゃなくて、ステアリングを切れば、切るほどに味が出てくるという印象なんだ。

ステアリングをニュートラルから、10度、20度、30度……90度、120度って角度を切り込んでいくにしたがって、タイヤのたわみ具合がドライバーに伝わってくる感じなんだ。その伝わり方が実に繊細で、極端にいうと1度刻みくらいで、その印象が変わる感じ。


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パワーはそれほどでもないが、乗り味は抜群のジェイドRS。シートの張りも魅力的だとか

操舵フィーリングって、だいたいステアリングを切った瞬間から、切り込んで行ってもあまり変わらないはずなんだ。角度が変わるにつれてパワステのアシスト量も変わるから。だけど、ジェイドは違っていて、切った角度にあわせて、しかも1度刻みで操舵フィーリングが変わるのだから、本当にびっくりする。これが実に不思議な乗り味をしていて、強烈に気持ちいいんだよね。

しかも驚いたことに、このクルマはシートもいい。ぱっと見、高そうなシートでもなんでもないんだけど、張り具合がいいんだよね。例えば、座面とかの、膝裏から腿裏、そしてお尻にかけての張り具合がね、強烈にいい。もうねぇ、座って! って感じ。「山野さん、座って!」って言われている感じなんだよ。だから僕も誰かにいいたい。「座って!」って(笑)。クルマのシートひとつで、ここまで思わせるものはなかなかないんだよね。ぜひ、試乗してみて欲しいんだよね。

ただ、このジェイドRSってディーラーにもあんまり試乗車がない印象。正直、街でもあまり見かけないし、ホンダには悪いけど、不人気車になりつつある。ジェイドよりも安いシャトルとも競合するあたり、立ち位置が難しいよね。ただ、ハイブリッドモデルではない、ジェイドRSは、エンジンのフィーリングとか、シフトの反応とかが、とっても自然なので、僕としてはイチオシだ。

家のガレージにあったら走りたくなる。スポーツカーでもないのに、走る魅力を兼ね備えた不思議な魅力のあるクルマだね。


01-yamanosuzuki-002山野哲也

レーシングドライバー。全日本ジムカーナ選手権では圧倒的な強さを誇り、ジムカーナキングとも呼ばれる。1999年からは全日本GT選手権(現・SUPER GT)にも参戦、高い実績を誇る

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