トヨタが行う車種整理で兄弟車がどんどんなくなっていく
トヨタは2025年までに2017年時点で約60車種あった国内向けモデルを半分の約30車種に削減する方針を明らかにしている。
その中心になっているのが、冒頭に上げたルーミー/タンクのような兄弟車の1本化、縮小、全面モデルの廃止である。
2025年まではまだ4年半あるが、実際は3年早い2022年か2023年あたりに前倒しになる見通しである。
というのは2020年5月から全国規模でトヨタブランド全車種を全系列店で扱うように販売体制を改めた。
これによって兄弟車のなかで販売に格差が生じるようになり、売れ行き不振のモデルは廃止しやすくなっている。
また2022年頃には多くの量販戦略モデルはフルモデルチェンジする時期を迎えることで、兄弟車の整理が必要になるといったタイミングの問題もありそうだ。
今後整理ないしは廃止が予想される兄弟車はノア/ヴォクシー/エスクァイア、アルファード/ヴェルファイア、プレミオ/アリオン、ポルテ/スペイドなどがある。
商用車のハイエース/レジアスエースは2020年5月の全系列店併売体制に切り替えた時点で、すでにハイエースに1本化されている。
プロボックス/サクシードは2020年8月3日、プロボックスの一部改良の際、サクシードが廃止され、プロボックスに1本化されている。
エスクァイアが廃止され、ノア/ヴォクシーの2兄弟に
各兄弟車の動向を販売店筋に最近流れている情報からズバリ予想すると、まずノア/ヴォクシー/エスクァイアは2021年5月頃にフルモデルチェンジする見込み。
このうちエスクァイアが廃止になり、ノア/ヴォクシーの2兄弟に集約される可能性が強い。
実は2020年4月27日に一部改良した時点ではノアに1本化すると思われた。というのは今回の改良でノアは全グレードを継続し、ヴォクシーは3ナンバーのエアロバージョンのみとし、5ナンバーの標準ボディ仕様を廃止、エスクァイアは上級グレードだけに絞ったラインアップに再編したからである。
ところがその後、最近までの販売推移を見ると、3兄弟のなかではヴォクシーがダントツの売れ行きで毎月の販売台数が多く、ノア、エスクァイアを1000台以上も引き離す推移となっている。
こうしたことから次期型ではヴォクシーを継続させて、2兄弟での世代交代に変更したものと思われる。
売れ行きが好調であれば、下取りに出す時のリセールバリューが高くなるのでフルモデルチェンジ時に名称を残したほうが販売政策上優位との思惑が働くからだ。
次期型ではヴォクシーを3ナンバーサイズの上級スポーツバージョン、ノアをファミリーユース向けの5ナンバーボディに仕立てたコンセプト分けをすれば、両立が可能になるといった考え方である。
プラットフォームは新開発の「TNGA」を採用。搭載するパワーユニットは2LガソリンNAと従来の1.8Lハイブリッドを2Lに排気量を拡大し、より高次元での低燃費&高性能の両立を図る方針のようである。
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