2020年7月31日、北米トヨタが北米市場専用のSUV「4ランナー」をマイナーチェンジし、2021年モデルを発表した。
4ランナーと聞いてもピンとこないが、4ランナーは日本で4代にわたって販売されたハイラックスサーフの海外専売車。
2009年に販売された5代目モデルからは海外専売車となり、日本から姿を消した。
ハイラックスといえば、40代以上の人なら、三菱パジェロ、日産テラノとともに”クロカン”ブームを支えた1台として記憶に残っているのではないだろうか。
1983年に登場した初代ハイラックスサーフは、FRP製のリムーバルトップを装備し、RVブームと相まって人気に火が付いた。
続いて、1989年に登場した2代目は、従来のFRPトップからスチール一体ルーフやボディ各部のフラッシュサーフェス化でよりスポーティになり、初代に続いて2代目も大ヒットモデルになった。
そして、1995年には3代目、2002年には4代目が登場、ランドクルーザープラドと部品を共用していたが、結局2009年に販売終了した。
そのハイラックスサーフは、4ランナーという名で2009年以降、実は海外では生き延びていたのだ。
さっそく、ハイラックスサーフの海外専売車、4ランナーの詳細を見ていこう。
文/岩尾信哉
写真/TOYOTA
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トヨタの北米市場での緻密な車種構成
トヨタの北米市場でのSUVモデルは、最も販売台数が稼げるカテゴリーとして、多種多様な車種で構成されている。
ボディサイズの大きさから上から辿っていくと、フレーム付きボディの北米市場での“フルサイズ”ピックアップトラックのタンドラとタコマとともに、SUVのセコイアが設定されている。
続いて、我々にも馴じみのあるランドクルーザー200(レクサスではLX)、ランドクルーザープラド(同じくGX)、ハリアー(同じくRX)が存在する。
ほかのトヨタのミドルクラスSUVとして、RAV4(2018年のニューヨークショーで発表)、3列シートのハイランダー(2019年4月のニューヨークショーで発表)。
日本市場ではかつてのクルーガーV(ヴァンガードにあたる)、先頃新たに発表されたコンパクトクラスのヴェンザ(2代目となる新型はハリアーの北米市場版となった)と、さすがにSUVにとって最大のマーケットである北米市場でのラインナップに関しては、トヨタの力の入れようがよくわかる。
4ランナーの歴史と市場での位置づけを見ると、1983年にハイラックスサーフが日本市場に登場した後、これに続くかたちで1984年に4ランナーとして北米市場に投入された。
日本市場でハイラックスサーフ(4代目の販売は2009年に終了)から数えれば5代目にあたる。
現行モデルでもラダーフレーム構造を採る4ランナーは、今回のマイナーチェンジでLEDヘッドライトなどが標準装備になった。
しかし、相変わらず、街中をスポーティに走り、オフロードで高い悪路走破性を発揮するコンセプトはハイラックスサーフ時代から踏襲されている。
下記の北米でのラインナップを見てほしい。4ランナーは今でもフルサイズのセコイア、ランクルクルーザーに次ぐ、ラダーフレームを採用した”本格派ミドルサイズ4WD”として位置づけられているのだ。
●C-HR(TNGA GA-C)
●RAV4(TNGA GA-K)
●ヴェンザ、日本名ハリアー(TNGA GA-K)
●ハイランダー(TNGA GA-K)
●4ランナー(ラダーフレーム)
●ランドクルーザー(ラダーフレーム)
●セコイア(ラダーフレーム)
新しいTNGAを採用したモノコックボディは、オンロード重視の都市型クロスオーバーSUVで、C-HR、RAV4、ヴェンザ(日本名ハリアー)がこれにあたる。ただし、現行のRAV4はオフロードの走行性能を高めており、クロカン四駆寄りになった。
荒れた路面やオフロードをガンガン走れる、ラダーフレーム付きの本格派クロカン四駆は、ミドルサイズの4ランナー、フルサイズのランドクルーザー、そしてさらに大きいセコイアのラインナップとなる。
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