かつて軽自動車の販売ナンバーワンメーカーはスズキで、暦年で見ると1973年から2006年まで34年間にわたり1位を守り続けた。
それが2007年にダイハツが軽自動車販売1位になり、スズキは2位に後退した。この後、2014年を除くとダイハツが一貫して1位になっている。
ところが2020年は、両社の軽自動車届け出台数が互角に近付いた。2020年1~7月における軽自動車の累計届け出台数を見ると(全国軽自動車協会連合会の速報値)、ダイハツは29万4073台、スズキは28万9746台だ。
ダイハツが1位を守るものの、スズキとの差はわずか4327台に縮まった。
両社とも2020年の届け出台数は、1カ月平均で4万2000台前後だから、4327台であれば8月に順位が入れ替わっても不思議はない。2020年の軽自動車販売は、スズキが1位を奪う可能性も生じている。
例年になく激しいトップ争いを展開しているダイハツとスズキの軽自動車ナンバーワンメーカーをかけた戦いについて渡辺陽一郎氏が考察する。
文:渡辺陽一郎/写真:DAIHATSU、SUZUKI、ベストカー編集部
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ダイハツの軽自動車の不振が接戦の要因
前年同期(2019年1~7月)の届け出台数は、ダイハツが37万6459台、スズキは35万2448台で、2万4011台の差が付いていた。
2020年はコロナ禍の影響により、両社とも2019年に比べて届け出台数を減らしたが、スズキのマイナス18%に対してダイハツは22%と減少が大きい。
そして軽自動車のカテゴリー別に見ると、ダイハツは2020年1~7月において、乗用車が24%と大幅に減った。スズキは16%の減少にとどまる。
逆に商用バンのスズキエブリイは29%減り、ダイハツハイゼットカーゴのマイナス14%を上まわったが、トータルではダイハツの軽乗用車の不振が大きく響いた。
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