人気の背の高いコンパクトカー、トヨタルーミー&タンク/ダイハツトール/スバルジャスティの4兄弟車。
ダイハツが開発したトールをトヨタにOEM供給したのがルーミー&タンク。スバルにOEM供給されたのがジャスティだ。
このうち、ルーミーとタンクは、取り扱う販売店が異なり、ルーミーはトヨタ店とカローラ店扱い、タンクはトヨペット店とネッツ店扱いとなっていた。
しかし、東京地区では2019年4月から全車種全店扱いになり、2020年5月からは全国のトヨタで全店扱いになったことにより、タンクが2020年9月15日に廃止されることになった。
そこでなぜタンクが廃止されることになったのか、詳細な内容を解説するとともに、全車種全店扱いに伴い、今後どの車種が廃止されるのか? 流通ジャーナリストの遠藤徹氏がレポートする。
文/遠藤徹
写真/ベストカーweb編集部 トヨタ ダイハツ スバル
※2020年8月18日19:45修正…写真の説明でミスがありましたため修正いたしました。大変失礼致しました。
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2020年9月15日、タンクを廃止しルーミーに1本化
トヨタは2020年9月15日、ハイトワゴンのルーミー/タンクをマイナーチェンジするのを機に両モデルを統合し「ルーミー」に1本化する。
ちなみに4兄弟のなかではトヨタルーミーが一番売れており、2020年1~7月の登録車の販売台数ランキングでは7位~9位で平均月販台数は6307台。トヨタタンクがルーミーに続き、12~19位で平均月販売台数は4580台。ダイハツトールは29位~40位、平均月販台数は1624台、スバルジャスティはすべて50位圏外で平均月販台数は207台となっている。
タンクという名称は廃止になるが、これまでタンクの上級&スポーティバージョンである、カスタムグレードのフロントグリルデザインをマイナーチェンジするルーミーのカスタムに移植し、残す形を採用する。
標準仕様は従来のルーミーを継続させる。装備面では駐車ブレーキを従来の足踏み式から、シフトレバー内に移し、電子制御パーキングブレーキを標準装備する。
2020年9月15日の発表、発売であるが、扱うトヨタの販売店ではマイナーチェンジ後のルーミーの先行予約をすでに受け付けている。
タンクの在庫はほとんどなく、カタログもない店舗が多い。価格は10万円程度の値上げになっている。
トヨタが行う車種整理で兄弟車がどんどんなくなっていく
トヨタは2025年までに2017年時点で約60車種あった国内向けモデルを半分の約30車種に削減する方針を明らかにしている。
その中心になっているのが、冒頭に上げたルーミー/タンクのような兄弟車の1本化、縮小、全面モデルの廃止である。
2025年まではまだ4年半あるが、実際は3年早い2022年か2023年あたりに前倒しになる見通しである。
というのは2020年5月から全国規模でトヨタブランド全車種を全系列店で扱うように販売体制を改めた。
これによって兄弟車のなかで販売に格差が生じるようになり、売れ行き不振のモデルは廃止しやすくなっている。
また2022年頃には多くの量販戦略モデルはフルモデルチェンジする時期を迎えることで、兄弟車の整理が必要になるといったタイミングの問題もありそうだ。
今後整理ないしは廃止が予想される兄弟車はノア/ヴォクシー/エスクァイア、アルファード/ヴェルファイア、プレミオ/アリオン、ポルテ/スペイドなどがある。
商用車のハイエース/レジアスエースは2020年5月の全系列店併売体制に切り替えた時点で、すでにハイエースに1本化されている。
プロボックス/サクシードは2020年8月3日、プロボックスの一部改良の際、サクシードが廃止され、プロボックスに1本化されている。
エスクァイアが廃止され、ノア/ヴォクシーの2兄弟に
各兄弟車の動向を販売店筋に最近流れている情報からズバリ予想すると、まずノア/ヴォクシー/エスクァイアは2021年5月頃にフルモデルチェンジする見込み。
このうちエスクァイアが廃止になり、ノア/ヴォクシーの2兄弟に集約される可能性が強い。
実は2020年4月27日に一部改良した時点ではノアに1本化すると思われた。というのは今回の改良でノアは全グレードを継続し、ヴォクシーは3ナンバーのエアロバージョンのみとし、5ナンバーの標準ボディ仕様を廃止、エスクァイアは上級グレードだけに絞ったラインアップに再編したからである。
ところがその後、最近までの販売推移を見ると、3兄弟のなかではヴォクシーがダントツの売れ行きで毎月の販売台数が多く、ノア、エスクァイアを1000台以上も引き離す推移となっている。
こうしたことから次期型ではヴォクシーを継続させて、2兄弟での世代交代に変更したものと思われる。
売れ行きが好調であれば、下取りに出す時のリセールバリューが高くなるのでフルモデルチェンジ時に名称を残したほうが販売政策上優位との思惑が働くからだ。
次期型ではヴォクシーを3ナンバーサイズの上級スポーツバージョン、ノアをファミリーユース向けの5ナンバーボディに仕立てたコンセプト分けをすれば、両立が可能になるといった考え方である。
プラットフォームは新開発の「TNGA」を採用。搭載するパワーユニットは2LガソリンNAと従来の1.8Lハイブリッドを2Lに排気量を拡大し、より高次元での低燃費&高性能の両立を図る方針のようである。
ヴェルファイアを廃止しアルファードに1本化
アルファード/ヴェルファイアは2022年初頭の世代交代が有力である。この時点でアルファードに1本化されるはずだ。
2019年12月19日のマイナーチェンジでアルファードを押し出しのある個性的なフロントマスクを採用、対するヴェルファイアは比較的大人しいの顔立ちにしたことで売れ行きが逆転し、毎月の平均販売台数はアルファードが6500台、ヴェルファイアは4500台程度と2000台以上も差がついてしまった。
これによって両者の勝負に完全に決着がつき、アルファードが残り、ヴェルファイアの消滅が濃厚になっている。
次期型ではFFの2.5Lにもハイブリッドが設定され、同クラスでは圧倒的なトップシェア確保を目指すことになる状況が予想される。
プレミオ/アリオン、ポルテ/スペイドの行方
プレミオ/アリオンは2021年中に両モデルとも廃止するのが有力となっている。ただ格安の5ナンバーセダンは法人向けや一般ファミリー向けにニーズがあるとの見方もある。
2019年9月17日にフルモデルチェンジしたカローラが3ナンバーボディ化したことで、5ナンバーのアクシオやフィールダーが法人向けに継続販売となっている。
であるならばプレミオ/アリオンとアクシオを統合し、新型の5ナンバーセダンを法人向けに投入するという手を使うかもしれない。
プレミオ/アリオンは2020年7月で2Lモデルが廃止となり、1.5L&1.8Lのラインナップとなった。
ポルテ/スペイドはルーミー/タンクの発売によって、急激に存在価値がなくなっている。それでも細々と販売を継続させている。
そんななか2020年7月2日に一部改良した。今後1年程度の様子を見ながら、両モデルとも生産を終了するものと思われる。
証言1:首都圏トヨペット店営業担当者
「アルファードとヴェルファイアでは次のフルモデルチェンジでアルファードに1本化されると聞いている。
2020年5月から両モデルを扱っているが、アルファードばかりが売れ、ヴェルファイアはまったく売れなくなっている。
5年後の下取り額で20万円もアルファードが高いのだから、アルファードが残るのは当然だと思う。
プレミオ/アリオンではどちらも廃止になるのではないかと予想している。セダンはまったく売れない状況が続いているからだ」。
証言2:首都圏ネッツ店営業担当者
「ヴォクシーとノアではヴォクシーのほうがずっと売れ行きがよい。4月下旬の一部改良によるグレード再編ではノアに1本化されると思われたが、ヴォクシーの方が好調に売れているので、方針が変更になったようだ。
次期型ではエアロバージョンがヴォクシー、5ナンバーの標準タイプがノアにコンセプト分けをすると予想している」。
















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