間もなく規制が強化されることで、燃費がよくないクルマの存続が危ぶまれている。そんな渦中には日産のフラッグシップスポーツカーである『GT-R』も含まれている。
『新型フェアレディZ』の発表で勢いを感じさせる日産だが、興味深い新型車開発の情報が飛び込んできた。その『GT-R』が大きく変わるというのだ!
今回は、ベストカースクープ班がつかんだその驚きの最新情報をお届けする。
※本稿は2020年10月のものです
文/ベストカー編集部
写真/NISSAN
CG/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年11月10日号
【画像ギャラリー】マイルドハイブリッド搭載で規制突破へ! スクープ班がつかんだ新型GT-Rの驚きの姿
■”ニッポンの日産”復活へ 狼煙となる2車種を発表
日産が勢いを復活させてきた!! そのイメージリーダーとなっているのが20202年7月15日にワールドプレミアされたピュアEVのニューモデル『アリア』であり、続いて9月15日にプロトタイプが公開された『新型フェアレディZ』の2モデルだ。この2つの注目車は、まさに5月28日に日産が発表した、今後グローバルに投入する12のニューモデル「A to Z」のAとZ。
両車ともに日産自動車のグローバル本社が所在する神奈川県横浜市の日産パビリオンでお披露目されたのもポイント。日産はここ数年、ホームマーケットである日本国内のニューモデル投入を減らしており、日本市場軽視を指摘されていた。
あえてアリアとフェアレディZという、対照的な2つの新型車を横浜から世界に向けて発表することで、”ニッポンの日産”を印象付けたのだ。
この「新型Z」、本誌スクープ班が得ていた情報の正確性が証明されたと自負している。Z34型のビッグチェンジだが、大幅なスキンチェンジをし、基本となるプラットフォームは引き継ぎながらもV6、3Lツインターボを搭載し、スカイラインにはなかった3ペダルの6速MTを採用する。ほぼ、本誌で事前にお伝えしていたとおりの内容であった。
■GT-Rのビッグチェンジ情報が!
スクープ班がさらなる情報収集を進めたところ、GT-Rの驚くべき情報が飛び込んできた。
これまでの情報では、以下のものだった。
・GT-Rは次期型開発の計画はあるものの、事実上凍結状態。
・現行R35型を2022年まで継続生産し、ファイナルエディションを限定販売し、生産を終了する。
・次期型モデルが登場するのは早くとも2025年以降になる。
ところが、Zの情報をもたらした関係者の驚きの情報は……、「社内、特に企画や開発現場の士気はここにきて大きく盛り上がっています。ゴーン体制下で抑圧されていた新型車企画が見直され、凍結されていたり、却下されていたりした企画が再度精査されています」という。
GT-Rについても、マイルドハイブリッド化によるブラッシュアップ案が再浮上しているというのだ。GT-RのWLTCモード燃費は7.8km/L。CAFEへの対応もあり、燃費が継続販売への大きな足枷になっている。
一方、デビューから12年経過したとはいえ、基本設計の素性のよさがあり、今でも世界のハイパフォーマンスカーと互角どころか抜きんでた走りを見せつけている。日産としても、このパフォーマンスを無駄にしたくないという思いが強いという。
そこで48Vマイルドハイブリッド化が注目されるのだ。パワートレーンのメカ部分は基本的に大きく手を入れることなく、スターターモーターをオルタネーター共用のハイパワーモーターとしてエンジン直結、いわゆる「ISG」とすることで発進時の燃料消費を抑制するのだ。
ISGモーターの出力は20kW(約27ps)、250Nm(約25.5kgm)程度なので、エコモード時の発進ではアイドリングストップからISGでタイヤひと転がりをアシスト。これによりWLTCモード燃費を10km/L台に引き上げる狙い。
これに併せて内外装も大幅に手を入れ、一見フルモデルチェンジか!? という変貌もアイデアとして浮上しているという。
やっと企画の素案が上がったばかりで、デビューは早くとも2023年末から2024年前半とみられる。GT-Rのブラッシュアップに期待したい!!
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