GT-R2021年モデル、北米で登場!! これが最終仕様か!? それとも…??

 2020年8月に、北米で2021年モデルの日産「GT-R」「GT-R NISMO」が発表された。エンジンは3.8l V型6気筒ツインターボエンジンで変わらないが、新しいターボチャージャーを採用することで、低回転域におけるレスポンスの向上などを果たしているという。

 しかし、日産の国内のホームページを確認すると、改良のための受注調整などを知らせる告知はない。マイナーチェンジや一部改良を行う場合、往々にして生産調整を行うが、それがないということは日本への導入はないのだろうか?

 ベストカーでもたびたび取り上げているが、GT-Rは騒音規制でその姿を消すのではと噂されている。この2021年モデルは最後のモデルとなるのか? GT-Rの最新事情に迫る。

文/渡辺陽一郎
写真/NISSAN、HONDA、編集部

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■北米で発表された2021年モデル 国内ではどうか!?

 日産「GT-R」は日本のメーカーが誇る最高峰のスポーツカーだ。V型6気筒3.8Lツインターボエンジンを搭載して、最高出力は標準モデルが570ps(6800rpm)、スポーツ指向をさらに高めた「NISMO」は600ps(6800rpm)を達成する。駆動方式は専用に開発された4WDで、走行安定性は動力性能と同等以上に優れている。

 北米市場では、「GT-R」と「GT-R NISMO」の2021年モデルが発表された。しかし日本では、2020年10月下旬において、改良を実施する案内はない。今までは2017年11月に2018年モデル、2019年4月には、現行型の2020年モデルがそれぞれ発表されてきた。

北米で発表された2021年モデルの「GT-R NISMO」。価格は標準車の「プレミアム」が約1203万円、「NISMO」が約2233万円

 北米で登場したGT-Rの2021年モデルは、日本ではいつ発売されるのか。GT-Rを買いたいユーザーは気になるところだろう。また2022年に実施される騒音規制のために、GT-Rは現行型で終了するという噂もある。実際のところはどうなのか、今後の見通しを日産の販売店に尋ねた。

「GT-Rが終了する話は、今のところ聞いておりません。納期は、2020年10月下旬に契約を頂いた場合で、標準グレードは2021年1月下旬頃でしょう。NISMOは遅く、2021年2月から3月になります」

 納期はすでに2021年だから、直近で生産を終了したり、2021年モデルに変更することはない。そうなると海外に2021年モデルを投入しながら、日本では2020年モデルを売り続けるのか。

「GT-Rは公表されていなくても、細かな改良を行って地道に進化しています。改良の詳細はわかりませんが、2020年に入って、マイナーチェンジや一部改良の発表がないのに車体番号が変更されました。今後は2022年の騒音規制も控えており、GT-Rの動向はわかりにくいです。いずれにしても現時点(2020年10月下旬時点)では、GT-Rの受注は停止しておらず、終了を含めて直近の変更はないでしょう」

■国産スーパースポーツのライバルと比べて健闘のGT-R

 GT-Rの国内における新車登録台数は少ない。コロナ禍の影響を受ける前の2019年において、1カ月当たり60~70台であった。日産「ノート」が1カ月に約1万台登録されたのに比べると圧倒的に少ない。

 スポーツカーも商品である以上、数多く売ることは大切だが、ノートなどのコンパクトカーや日産「デイズ」のような軽自動車とは役割が根本的に違う。GT-Rは日産で最高の走行性能を誇るスポーツカーだから、日産のブランドイメージを高める役割も大きい。存在すること自体に、価値のあるクルマだ。

2007年の発売以来、いまだに一線級の性能を維持するフラッグシップスーパースポーツカー「GT-R」。現行型の価格は1082万8400~1463万6600円。NISMOは2420万円

 ノートやデイズも、GT-Rを開発している日産の商品と考えれば、市場の印象が違ってくることもある。GT-Rを上手に宣伝すれば、ほかの日産車の売れ行きにもいい影響を与えられる。

 だからこそGT-Rは、前述のとおり1~2年に一度は改良を実施する。生産台数と開発コストのバランスにより、フルモデルチェンジは困難だが、改良によって着実に進化させてきた。GT-Rはスーパースポーツカーなので、常に最高峰の性能を備えることが不可欠になるためだ。

 たとえ動力性能の数値やデザインが変わらなくても、走行安定性と乗り心地のバランスなどを進化させ、走りを洗練させることが大切になる。そうなれば2008年に購入したユーザーが、2014年、2020年と新型に乗り替えても、進化を実感できて高い満足度を得られる。

 そしてGT-Rの売れ行きは、高性能なスポーツカーのなかでは決して低くない。フェアレディZは、モデル末期でもあり、2019年の1カ月平均の登録台数は50台前後だ。GT-Rの60~70台に比べて少ない。同様にレクサス「LC」は50~60台、ホンダ「NSX」は1~2台だ。

ホンダ「NSX」は2020年1~7月の販売台数はわずか9台。車両価格は2420万円だ。

 この市場はむしろ輸入車が強く、フェラーリは、シリーズ合計では1カ月平均で70~80台を登録している。スーパースポーツカーの分野では、輸入車を選ぶユーザーも多い。数年後に売却する時の金額(新車価格に占める売却額の割合)が、日本車を上まわることも影響している。

 販売店では「GT-Rは少量生産車とされますが、最近になって問い合わせが増えています。GT-Rが現行型で生産を終了するかも知れないといった噂が流れていることも影響しているでしょう。特に変更を加えていないのに、受注が伸びる兆しが見られます」という。

■ファンとの絆を守るためにも配慮が必要

 このようにGT-Rは特別な存在だから、各種の法規や規制によって生産の継続が困難にならない限り、終了することはないだろう。

 特に今の日産は、日本国内を含めてブランドの再構築を行っている。今後はSUVの「エクストレイル」がフルモデルチェンジを行い、2021年には電気自動車で優れた走行性能を発揮する「アリア」も登場する。コンパクトカーでは「ノート」のフルモデルチェンジも控える。

 各カテゴリーが一斉に新型に刷新されるので、ブランドのイメージリーダーになるスーパースポーツカーのGT-Rも、フルモデルチェンジは無理だが大幅な改良は施すだろう。

 海外で登場した改良型のGT-Rは、通信機能を充実させるなど、装備も進化させている。従って今後日本国内にも導入されるが、その予定が曖昧では、ユーザーの不満が高まってしまう。GT-Rのようなスーパースポーツカーでは、先進性も大切な魅力だ。近々改良を実施するのであれば、その前に愛車の車検が満了するとしても、改良型を待って乗り替えたいと考える。

 従って海外で改良型を発表した場合は、せめて国内の導入時期も明らかにして欲しい。その時期がわからないと、ユーザーは購入計画を立てられないからだ。

 とりわけGT-Rでは、前期/中期/後期と数回にわたって乗り替えるユーザーが多い。長年にわたるGT-Rの熱心なファンだから、変更の可能性が伴う大雑把な時期でもいいから、いつ頃買えるのかを明らかにすべきだ。

 このような配慮をすれば、GT-Rを通じて、ユーザー/販売店/メーカーの絆がさらに強くなる。

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