■内外装のテコ入れ太刀打ちできないN-WGNの存在感
ムーヴの現行モデルの登場は2012年12月で、その両側スライドドア「ムーヴキャンバス」の発売が2016年9月となっている。
したがって次期型にバトンタッチするのは2020年秋頃が有力で、その1年前の2019年秋には最終のマイナーチェンジの時期を迎える。
今回は内外装のデザイン変更と買い得の特別仕様車の最終モデル設定で対応する見込みである。
もう一方の雄であるワゴンRは現行モデルの登場が2017年2月であり、来春の2月あたりにビッグマイナーチェンジすることが予想される。
従来の内外装のデザイン変更だけでは、強力な新型車のNーWGN、デイズ、eKワゴン&eKクロスに太刀打ちできない可能性がある。
有力な追加モデルの設定や個性派モデルの設定が必要になる。追加モデルで有力なのは両側スライドドアのムーヴキャンバスやSUVテイストの「クロス」バージョンの設定である。
クロスバージョンはすでにスズキは2018年末に「スペーシアギア」を派生させているので、ワゴンRにも設定すれば有力な追い風になることが予想される。
もうひとつ今年、新型軽自動車で注目されるのはダイハツの次期型タントである。8月か9月にフルモデルチェンジする見込みである。
次期型はプラットフォーム、エンジン、足回りのほとんどを全面刷新する。プラットフォームはホイールベースを延長、N―BOXのようにエンジンを傾け、前方に移動させることで、同クラス最大の居住空間を実現する。
センターピラーレスのレイアウトを引き続き採用することで、かさものの出し入れが一段とし易くしているのが特徴。
パワートレインは新開発の660ccNAガソリンと同ターボを搭載。NAガソリンユニットにはEV走行可能なフルハイブリッドを軽自動車で初めて採用すべく開発を進めている。
1モーター&リチウムイオンバッテリーの組み合わせで、可能な限りコストダウンを図っている。
安全パッケージでは「スマートアシストIII」を実用化しているが、次期型タントではさらに自動ブレーキの作動スピードや検知機能両範囲の拡大の他、自動運転の装備充実などでも進化させている。
軽自動車のトップセラーカーのポジションは過去2年間、N-BOXに譲っていたが、この世代交代によって、その座の奪還を目指すものと思われる。
N-BOXもトップ死守を目指して近い将来、「スラッシュ」のテコ入れを実施する方向にある。
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