2019年は早くも下半期に突入。秋には東京モーターショーの開催も控えているが、今年デビューする新車のなかでも特に注目度の高い“大物”は、同ショーにも出展確実。
そして、ディーラーで生の情報を取材する流通ジャーナリストの遠藤徹氏によると、ちょうど東京モーターショーの前後に大物たちがデビューを迎えるという。
マツダ CX-30、ダイハツの新型コンパクトSUV、ホンダの新型フィットという3台の大物新車に関するアウトラインや発売時期が、いよいよハッキリとしてきた!
文:遠藤徹
写真:編集部、MAZDA
CX-30の発売は10月! 間もなく商談も開始

マツダ CX-30に関して、扱い店のマツダ店にはメモ書き程度の情報を記載したアウトラインが第1弾で届いている。
メーカー発表は2019年9月20日頃で、発売は10月頃になる見通し。7月30日から事前の予約を受け付ける見込みだが、見積書の作成が可能になるのは8月の中旬以降になる見込みである。
エクステリアデザインは欧州のモーターショーで発表済み。7月中旬現在時点で(日本仕様に関しては)まだ公式発表されていないものの、スタイリッシュなクーペ感覚のSUVボディシェルを採用し、若者を意識したデザインだという。
フロントマスクは、最近のマツダの顔である大型6角形型グリルでリアビューはマツダ3のデザイン処理に似ている。
ボディサイズは全長が4287mm、全幅1790mm、全高1550mmでCX-3に比べると全長が120mm長く、全幅は25mm広く、全高は同じ。ホイールベースは2640mmでCX-3よりも70mm長い。
マツダでのポジショニングは、CX-3とCX-5の中間に位置するミディアムクラスといえる。パワーユニットは1.8Lクリーンディーゼル、2Lガソリン、SKYACTIV-Xを搭載する。
1.8Lディーゼルと2LガソリンはCX-3と同じ。いずれも2WD、4WD駆動、トランスミッションは6AT、6MTとの組み合わせとなる。
このモデルは、CX-3の後継モデルになるのではないかという噂があるが、当初は新型SUV「CX-30」の発売で従来のCX-3は継続販売するという形を取る。
ただ、今後「CX-30が好調に売れ、CX-3が極端に落ち込むような状況が続くようであれば、CX-3はなくなる可能性もある」とマツダ店では予想している。
SUVトップセールスも視野! 新型「DNトレック」は11月発表へ

ダイハツは新型コンパクトSUVを2019年11月上旬に発表、発売する方向でスケジュール調整している。
7月中旬現在では販売店向けに正式な通達はまだないが、11月5日の発表、発売と名称が「DNトレック」という情報が販売店筋に流れている。
新型SUVは新開発のプラットフォーム「DNGA」を採用。コンセプト的にはスズキのクロスビーに対抗するコンパクトクロスオーバーSUVが有力。
エクステリアデザインは、トヨタのハリアーをふた回り小さくしたような丸っこいボディシェルを採用したSUVシェルの5ドアモデル。
パワーユニットは1L3気筒NAと同ターボエンジンを搭載する。クロスビーは1Lターボのみだが、こちらはNAもあるので、このぶん低価格帯のグレードも設定する。
駆動方式は2WD、4WDを設定、トランスミッションはCVTのみ。安全パッケージの「スマートアシスト」はさらに進化させた次世代バージョンの最新デバイスを標準装備する。
車両本体価格は160~220万円程度に設定する見込み。消費税引き上げ実施直後の10月初めから事前の予約受注をスタートさせる方向にある。
トヨタに姉妹車をOEM供給するので、同時にトヨタブランドモデルも発表、発売する。ネーミングは生産中止になった「ラッシュ」を復活させるとの情報が流れている。
ボディパネル、内外装のデザイン、ボディカラー、グレード構成、価格設定はほぼ同じでエンブレムのみの違いとなる。全国レベルの扱い店は当初、トヨタ店、トヨペット店の併売で2020年5月から全系列店に拡大する。
カローラ店では9月17日、カローラのフルモデルチェンジ、ネッツ店では2020年2月にヴィッツを一新、新ネーミングの「ヤリス」に引き継ぐのを考慮しての対応と思われる。
販売台数の主体は、トヨタブランド車でラッシュが月販5000台、DNトレックが1000台、合計6000台規模が目標でSUVのトップブランド達成を目指すことになりそうだ。
新型フィットはターボとHV武器に11月デビューで調整中

ホンダ新型フィットはつい最近、販売店向けに2019年11月中旬の発表、発売が伝えられているだけで、商品内容はまだ明らかにされていない。
噂されているのは、エクステリアデザインがキープコンセプトながら、現行モデルよりもやや丸みを帯びたボディシェルを採用すること。ボディサイズは若干サイズアップするものの全幅が1695mmの5ナンバーレイアウトを引き継ぐ。
ホイールベースは50mm程度延長し、室内の居住性拡大と走行性の向上を図る。パワートレインは新開発1L・3気筒ターボ&1.5Lハイブリッドを搭載。
ハイブリッドは基本的にはインサイトと同じ「i-MMD」で、従来の1モーター&2クラッチ方式から2モーターに切り替える。
かなりのコストアップになるが、現行モデルに比べて消費税の引き上げ分を含めて10万円程度のアップで設定する。10月上旬から先行予約の受付をスタートさせる。
現行モデルは9月いっぱいでオーダーストップとなるが、既にグレード、ボディカラー、オプションパーツが絞られつつある。販売店ではナビサービスや車両本体価格の値引き拡大で25万円以上の格安で買える状況にある。