毎年のようにニューカーは登場するが、オリンピックイヤーである2020年は、ここ数年になかったにぎわいを見せる。日本のクルマ界を活性化するターニングポイントになるかもしれない、という期待感が膨らむ。
すでに欧米で発売されているクルマの日本導入、ブランニューカー、フルモデルチェンジ車などなど、いろいろなタイプの新車のデビューが控えていて今から楽しみ。
クルマの購入計画を立てるためには1年後のニューカースケジュールを把握しておくことは重要になってくる。
BCスクープ班がつかんでいる2020年にデビューするクルマを一挙に紹介していく。
文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、ベストカー編集部
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すでに海外で発売されている2台の動向

2019年9月3日に予告どおり新型日産ジュークが発表された。しかし発表・発売を開始したのはイギリス、フランス、イタリア、スペインなどの欧州仕様のみで、期待した日本仕様についてはまったく言及されず肩透かしを食らったかたちだ。
新型ジュークに関しては日本での販売をやめる、車名が変更になるなどのネガティブな情報もあったが、日本でも引き続き販売されるのは間違いない。
デビュー時期は、2020年5~6月有力で、現在発表されている欧州仕様は1L、直3ターボエンジンのみだが、日本仕様には人気のe-POWERもラインナップされるはず。
もう1台はホンダe。すでに欧州では予約が開始されているなか、ドイツで開催されているフランクフルトショーで、欧州におけるホンダの電動化ビジョンを発表すると同時に市販モデルを世界初公開した。
日本でもマスコミを対象にしたホンダミーティングで2019年7月に日本仕様を公開しているが、一般にその姿を見せるのは10月末から開催される東京モーターショーになる。

プロトタイプから大きく変わらないキュートなデザインは市販モデルでも健在で人気が出そうな雰囲気ムンムンだが、急速充電に対応しているとはいえ200kmという微妙な航続距離、400万円を超えると予想されている日本での価格などが気になるところ。
そのほか2020年にデビューする注目のニューカーをカテゴリー別に見ていく。
SUV
今一番盛り上がっているカテゴリーのSUVで最も注目したいモデルはトヨタの新型ランドクルーザー(300系)だろう。初代モデルは1951年にデビューという長い歴史を誇り、現行モデルは2007年にデビューだから13年目でフルモデルチェンジとなる。
同時にコンポーネントを共用するレクサスLXも新型に切り替わることになる。


もう1台は三菱アウトランダー。2012年デビューの現行モデルでガソリンエンジン、PHEVの両刀となったが、新型も踏襲される。ワールドワイドに見ればガソリンモデルの販売台数が多いが、日本ではほぼPHEVの注目度が高く、さらに進化して登場する。
エクステリアは三菱が推進するダイナミックシールドを採用して現行のスッキリ系から存在感のある個性的なフロントマスクとなるのが特徴だ。
SUVはまだまだ注目すべきクルマがある。日産エクストレイルが2020年夏にフルモデルチェンジして刷新され、待望のe-POWERが搭載され魅力アップ!!

コンパクトカー

2019年11月のホンダフィット、12月のトヨタヤリス(ヴィッツ改め)が続々とデビューし、古臭さの隠せなかったコンパクトカーが大きくリフレッシュされる。どちらも売れなくては困るモデルだけに期待にたがわないで気になっているのは間違いない。
それに対しe-POWERを搭載して一気にコンパクトカーの販売ナンバーワンに躍り出た日産ノートが満を持してフルモデルチェンジする。
最大のトピックスはスライドドアの採用でライバルと差別化する点で、さらに進化して扱いやすくなるe-POWERにより販売増強を目論んでいる。日産のコンパクトカーの旗手のノートに期待だ。

軽自動車
ホンダN-BOX、ダイハツタント、スズキスペーシアといったスーパーハイト系が大人気のなか、デビューから年月が経過し古さを隠せない日産デイズルークス/三菱eKスペースが2020年フルモデルチェンジ。

すでに刷新されているデイズ/eKワゴン&eKクロスをベースにスーパーハイトワゴンに仕立てたモデルだが、単に背を高くしたモデルではなく、これまでの軽自動車の常識を超越した内外装の質感、走りの質感、充実した安全装備でライバルとの差別化を狙っている。
いっぽうスーパーハイトワゴン系の人気に押されがちのハイトワゴン系モデルだが、トップブランドのダイハツムーヴが登場する。
タントに続くDNGA採用第2弾となる。タントでは世界初、軽自動車初の技術、装備が多く盛り込まれていたが、新型ムーヴでもアッと驚かせてくれること間違いなしだ。ハイトワゴン系の復権は新型ムーヴにかかっているといっても過言じゃない。
ミニバン

ミニバンの人気モデルのほとんどは2021年以降のデビューとなる。そんななか注目度絶大なのがグランドハイエース。このクルマは2019年中のデビューも噂されていたが、2020年春に登場が有力だ。
ベースとなるのはすでに台湾、オーストラリアで販売されているグランビア、タイで販売を開始したマジェスティで、アルファード/ヴェルファイアを凌駕する大型のボディを持つラグジュアリーミニバンとなる。
いっぽう、トヨタTJクルーザーのデビューを心待ちにしている人も多いと思うが、10月末の東京モーターショーで市販モデルを公開後、来春をめどに発売を開始するというのが有力。2列シート、3列シートの2タイプをラインナップする予定だ。

ステーションワゴン
日本ではステーションワゴンのラインナップが激減していて大きな動きがないなか、ステーションワゴンのナンバーワンブランドに君臨するスバルレヴォーグが2020年夏にフルモデルチェンジを予定している。
新世代のプラットフォームのSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の採用、新開発のダウンサイジングターボなど話題性抜群の1台だ。

エクステリアデザインは2018年のジュネーブショーで公開されたヴィジブツアラーコンセプトがベースとなっていて、新世代のスバルを象徴するモデルとなる。
そしてもう1台はカローラツーリングのトップグレードで、2019年9月17日のデビューから約1年後にカローラツーリングGT-FOURが追加される。GT-FOURの名前のとおり、4WDターボとなる。
各カテゴリーの走りを究めようとしているトヨタが本気を具現化したクルマで、ステーションワゴン復権の期待もかかる1台だ。

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ここ数年デビューから10年近く経過したコンパクトカーが販売台数の上位を独占、という由々しき事態となっている日本のマーケットだが、そのコンパクトカーも2020年には新型が出揃うことで大きくリフレッシュする。
2020年のラインナップを見るだけでもSUVの元気、勢いは健在間違いなしだし、元気なカテゴリーに連動するようにそのほかのカテゴリーのクルマも元気になれば最高! そんな予感がします!