新型トール&ルーミーの発売が2027年秋に延期 軽HVも開発中止 ますますスズキに差を付けられる現実 がんばれダイハツ!

■軽乗用ハイブリッド車開発中止!

2024年7月17日、スズキの「10年先を見据えた技術戦略」の会場に展示されていた、新型スイフトに搭載された熱効率40%という驚異的なZ12E型ガソリンエンジン
2024年7月17日、スズキの「10年先を見据えた技術戦略」の会場に展示されていた、新型スイフトに搭載された熱効率40%という驚異的なZ12E型ガソリンエンジン

 スズキは2024年7月17日、「10年先を見据えた技術戦略」を発表した。具体的には、軽から小型車まで100㎏軽量化(アルトは600㎏を切れないかと鈴木俊宏社長が提案)、スイフトのZ12E型で実現した悲願の熱効率40%という高効率エンジンを全エンジンに横展開、現状、エンジン36kW+モーター出力2kWの12Vマイルドハイブリッドのモーターを10KWに変更した48Vスーパーエネチャージを採用していく、という。

 いっぽうでダイハツは、ロッキー&ライズにe-スマートハイブリッドを搭載した時の記者会見で軽自動車への展開が示唆されていた軽ハイブリッドの開発を中止したという。

 e-スマートハイブリッドのエンジンは、エンジンで発電し、その電力を使用してモーターで走行するシリーズ方式。ダイハツはその軽自動車版のe-スマートハイブリッドを開発中だった。

ロッキーのe-スマートハイブリッドはシリーズ式ハイブリッド
ロッキーのe-スマートハイブリッドはシリーズ式ハイブリッド

 ロッキー&ライズに採用されたe-スマートハイブリッドのWLTCモード燃費は28.0km/Lで、1.2LのNAエンジンは20.7km/Lだから大幅な燃費の向上が見込まれていただけに残念だ。

 ちなみに、軽商用EVについては、トヨタ、ダイハツ、スズキによる協業で2023年度に発売する予定だったが認証試験不正のため、2024年春に延期された。

 2022年6月22日、ダイハツが特許庁に「e-ATRAI」、「e-HIJET CARGO」、「e-SMART ELECTRIC」を商標登録しているので、今後発売されていくかもしれない。

■新型トール&ルーミーの発売は2027年以降に延期

ダイハツトールとOEM版のトヨタルーミー。ルーミーは販売ランキングの上位に食い込んでいる
ダイハツトールとOEM版のトヨタルーミー。ルーミーは販売ランキングの上位に食い込んでいる

 ダイハツは今後も小型車の開発は続けるものの、開発から認証までトヨタが責任をもって確認し、ダイハツへ委託するというかたちをとることになった。気になるのは隠れたヒット車、コンパクトハイトワゴンのトールと、トヨタへOEM供給しているルーミーの新型がいつ発売されるかだろう。

 現行モデルのパワートレーンは、ダイハツ製の排気量1L、直3エンジンで、WLTCモード燃費はターボ版が16.8km/L、NA版が18.4km/L。ちなみにヤリスは1.5L、直3NAエンジンで21.3km/L、ロッキー/ライズが1.2L、直3、NAエンジンで20.7km/L、現行のロッキーe-スマートハイブリッドは28.0㎞/Lだから、新型トール&ルーミーに積むことになればそれ以上の燃費になることが期待される。

搭載されるパワーユニットは1.2L、直3+モーターになる可能性が高い。低燃費に期待(ベストカー編集部作成の予想CG)
搭載されるパワーユニットは1.2L、直3+モーターになる可能性が高い。低燃費に期待(ベストカー編集部作成の予想CG)

 新型トール&ルーミーのハイブリッドシステムは、トヨタのシリーズパラレル式ハイブリッドではなく、ロッキー&ライズで採用されたシリーズハイブリッド、e-スマートハイブリッド搭載モデルのみとなる。エンジン排気量はロッキー&ライズと同じ1.2Lもしくは1Lのどちらかになるだろう。

 新型トール&ルーミーの発売は、現行モデルの新法規対応(バックモニター義務化、側面衝突時の乗員保護、後面衝突時の乗員保護等)に対応するために時間がかかっているため、早ければ2027年秋頃になると予想。再起までの道のりは茨の道かもしれないが、ダイハツがんばれ!

【画像ギャラリー】新型ムーヴ、新型トール&ルーミーはどうなる? 写真でチェック!(10枚)画像ギャラリー

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