2024年8月1日、ホンダと日産(三菱も含む)が提携し、主要な協業領域についての会見が行われたのは既報の通り。そのなかで真っ先に注目したいのはやはり、車両の相互補完だろう。つまり、ホンダと日産、三菱の車種が相互補完することによって、どんな車種が生まれるのか? 最有力候補車は日産エルグランド、ホンダエリシオン(オデッセイ)、三菱グランディス。この3車はアルファード&ヴェルファイアを追い落とすことができるか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部
■ホンダと日産、三菱の協業のなかでワクワクするのは車両の相互補完
会見で発表された5つの協業についての詳細は別項に譲るが、現実的な話としてワクワクするのは4の車両の相互補完ではないだろうか。会見に出席した当編集部員が、「相互補完はBEV、次世代領域だけですか?」と質問したところ、ホンダの三部社長は「あえて領域を狭める考えはない。ガソリン車もHVもPHEVも検討しています」と驚きの回答。
さらに具体的に進んでいる分野もあり(両社長ともに「短期的にできるところと中長期的にできるところがあって、短期でできることはすぐにやっていく」という発言もあった)、「近いうちに具体的なことが発表できると思う」(ホンダ三部社長)とのこと。
衝撃! 日産&ホンダ共同会見「想像以上の成果」 モデル相互補完はBEV、HV、PHEV…ガソリン車も!! 生き残りをかけvs.米中トヨタグループ包囲網爆誕!!
1:次世代SDVプラットフォームの基礎的要素技術の研究(2030年までには登場)
※SDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)」と呼ばれる。 スマートフォンのようにソフトウェアで外部と通信し、走行や安全の機能を新しいものに書き換えることができる
2:バッテリーの補完・供給(共通化されるバッテリーはBEVだけでなくHVやPHEVにも使用)
3:eアクスルの共通化(モーターとインバーターを共用し、中長期的にはeアクスルを共通化)
4:車両の相互補完
5:国内のエネルギーサービス、資源環境領域での協業
■ホンダ、日産&三菱の協業によって生まれるクルマは何?
では、3社の相互補完によってどんなクルマは生まれるのだろうか? すでにルノー&日産&三菱とのアライアンス、共通プラットフォームによって生まれた車種は、CMF-EV(アリア、メガーヌE-TECHエレクトリック)、CMF-B(ノート、ルーテシア、キャプチャー)、CMF-A(デイズ&ルークス、eKシリーズ、デリカミニ、サクラ、ルノークウィッドほか)などと、かなり広範囲にわたっている。
これを見ればわかる通り、プラットフォームとパワートレーンは共通ながら、エクステリアやインテリアのデザインは各社のアイデンティティでそれぞれ差別化を図っており、どれも魅力的だ。単なるバッヂを差し替えるだけのOEM車ではない。
SDGsの時代、もはやプラットフォーム、パワートレーンを共通化した量産効果により、開発コストを下げて販売価格を下げることは消費者にとっては大きなメリットになる。ただし、パワートレーンは同じでも、ハンドリングや乗り心地、走りの味付けに関しては、同じにはなってほしくない。クルマ好きでなければ、今の時代どのクルマもあまり変わらずどれも同じ、安ければいいのではと声も聞かれるが……。
ではホンダ、日産、三菱が相互補完して登場する可能性が高いクルマを挙げてみた。真っ先に浮かんだのは、軽自動車のEV、日産サクラ&ekクロスEVと、ホンダの軽自動車のBEV、ホンダN-VANe(2024年登場)やN-ONEe(2025年登場予定)のパワートレーン共通化。でもこれは予想範囲内。
ホンダ三部社長の「ガソリン車、HV、PHEVも検討している」とのことだから、想像以上に早く投入してくる可能性がある。
その前に2024年に発表された日産、ホンダ両社の中期経営計画を紹介しておきたい。
2024年3月25日、日産自動車は2024年3月25日、新たな経営計画「The Arc」を発表。2024年度はEVを2車種、2025年度はEVを2車種とe-POWERを1車種、PHEVを1車種投入すると発表。
2026年度についても10車種の電動車両を投入する予定で、2026年度までに合計16車種の新型電動車両を導入するという。具体的な車種としては、北米市場では2024年度にインフィニティQX80、ムラーノ、パトロール、アルマーダ、キックスを投入した。日本市場は2026年までに5車種投入することを明らかにした。
説明会のなかで流されたシルエットの映像のなかには、新型キックスや新型エルグランド、新型マイクラ(マーチ)、コンパクトクラスのハイトワゴン(キューブか?)と思える姿もあった。
いっぽう、ホンダは2024年5月16日、2030年に向けたEV事業の中期計画を発表。そのなかで、ホンダは「薄く、軽く、賢く」をコンセプトとした新しいEVシリーズ「Honda 0」を2026年に北米で導入予定のサルーンを皮切りに、中型SUVやエントリーSUVを投入。2027年には3列シートの大型SUV、2028年にはコンパクトSUV、2029年にはスモールSUV、2030年にはコンパクトセダンと2030年までに全世界で7モデルと展開すると発表。
日本市場においては前述したとおり、軽商用BEVのN-VANeをはじめ、2025年にはN-ONEe、そして2026年には小型SUVのEVを導入予定となっている。
この両社の新車計画は当然、今回の協業発表前の計画なので、大幅に変更される可能性もある。これを前提に相互補完によって生まれる車種を挙げてみたい。
コメント
コメントの使い方会社の規模に反して、この3社のラージ(ミドル)ミニバン中では三菱のデリカが一番売れているのだから、三菱を中心に日産・ホンダの得意なコンポーネントや部品を持ち寄って新型を開発し、その新型デリカをOEM供給して貰ったら良いのでは?