■新型エルグランド、ホンダエリシオン、三菱グランディス
2025年中の発売が濃厚となっている新型エルグランド。ジャパンモビリティショーで公開された「ハイパーツアラー」はエルグランドのイメージを押し出した未来のミニバンで、全固体電池のBEVで自動運転もできるという明らかなコンセプトカーだった。
しかし、ベストカーに入っている次期エルグランドの情報はe-POWERを搭載して2025年に登場というもので「ハイパーツアラー」と共通するところはなし。
唯一デザインだけはこのテイストが生かされることになる。堂々としていながらスタイリッシュで高級感もある。e-POWERの発電用エンジンはエクストレイルで好評の3気筒、1.5L、VCターボが有力で、駆動方式はFFと4WD。モーターパワーは4WDの場合、前後合わせて340ps以上となる。車重1880kgのエクストレイルでも動力性能には不満なしだけに、エルグランドでも充分な動力性能を発揮するだろう。
この新型エルグランドと相互補完するクルマは、ズバリ、ホンダエリシオン(またはオデッセイ)。2023年12月、1年3カ月ぶりに販売が再開されたオデッセイだが、デビュー時期は古く2013年11月と10年以上経っている。エリシオンは、初代が日本で販売されたものの2013年10月に生産終了。現在のエリシオンは、2016年1月から中国市場で販売されているオデッセイの兄弟車だ。
日産のエルグランドと、ホンダのエリシオン、そして三菱グランディスの3車が相互補完によって誕生し、各社のアイデンティティを注入し販売すれば、独壇場となっているアルファード&ヴェルファイアを倒せる気がしてくる。
モデル末期のオデッセイ&エリシオンを抱えるホンダからすれば願ったりかなったりで、北米市場のオデッセイと合わせれば、日産から見た場合、スケールメリットによるコスト削減効果は大きい。
もちろん、エクステリアデザインは差別化される。エルグランドは最新のデジタルVモーショングリル、ホンダはステップワゴン、フリードのようなシンプル&モダンなデザインを採用してくるだろう。
余談だが、全個体電池の全面対決となりそうなのは2028年。日産は、横浜工場内に全個体電池のパイロット生産ラインを構築中で、2024年度中には完成予定だが実用化は2028年の予定。対するトヨタは出光と全個体電池の実用化を2027~2028年に目指している。実際に日産は、同社の横浜工場内に全個体電池のパイロット生産ラインを構築中で、2024年度中には完成する計画だ。新型エルグランド&ホンダエリシオン、アルファード&ヴェルファイアの全個体電池車対決となるかもしれない。また、全個体電池についてもトヨタ、スバル、ダイハツ、スズキ連合対日産、三菱、ホンダ連合の対決が見ものだ。
●新型エルグランドe-POWER予想スペック
・全長:4980mm
・全幅:1880mm
・全高:1930mm
・ホイールベース:3000mm
・パワーユニット:直3、1.5Lターボe-POWER
・モーター最高出力:フロント204ps、リア136ps
・駆動方式:FF/4WD
・トランスミッション:―
・予想価格:600万〜800万円
コメント
コメントの使い方会社の規模に反して、この3社のラージ(ミドル)ミニバン中では三菱のデリカが一番売れているのだから、三菱を中心に日産・ホンダの得意なコンポーネントや部品を持ち寄って新型を開発し、その新型デリカをOEM供給して貰ったら良いのでは?