惜しまれつつなくなった三菱が誇る本格クロカンのパジェロ。それが2026年に再登場するニュースが舞い降りた。そこで得たのがトライトンベースの原点回帰かアウトランダーベースのPHEVだ。どちらも気になるところだが早速見ていこう。
※本稿は2024年9月のものです
文、予想CG:ベストカー編集部/写真:三菱
初出:『ベストカー』2024年10月10日号
■どうなる? 復活のパジェロ
2023年末に、三菱がパジェロを復活させるべく動いているという情報を入手し、年明け早々の2月10日号で紹介した。
デリカミニの成功もあって、「三菱らしい商品」の重要性に改めて気づいたことでパジェロ復活の機運が盛り上がり、開発が始まったという情報だった。
またその時の情報では、次世代パジェロは2026年の登場が予定されている次期アウトランダーPHEVをベースに開発されるということだった。
ラダーフレームのピックアップトラックであるトライトンをベースにするプランもあったらしいが、パジェロに要求される乗り心地のレベルに達しないということで断念。
次世代パジェロは、歴代で初めてフルモノコックボディを採用することになるというのが2023年末時点での情報だったのだ(3〜4代目はビルトインフレーム構造のモノコックだった)。
つまり、ラグジュアリー路線を狙うということだ。もちろん、パジェロを名乗る限り、ライバルを凌駕する4WD性能は必須だが、オンロードを高級車のように走れる性能も重要。
目指すは「和製レンジローバー」で、だからこそ次期アウトランダーPHEVをベースにする。次世代パジェロの開発は、その方向で進んでいると思われていたのだ。
思われていた……というのはどういうことか? 実はここにきて、従来とは異なる情報が編集部に入ってきているのだ。それは「次世代パジェロはトライトンベースで作られる」というものだ。
途中で変わったのか、最初の情報が間違っていたのか、それはわからない。そして、今回入手した新情報も合っているのかどうかもわからない。
今、確実に言えるのは「三菱は次世代パジェロを開発している」ということと、そのベースになるのが次期アウトランダーPHEVか、もしくはトライトンというふたつの説があるということなのだ。
【画像ギャラリー】次世代パジェロはどうなる? 予想CGを一挙に(13枚)画像ギャラリー■目指すはパジェロの原点回帰か?
トライトンベースとなれば、方向性は当然変わってくる。頑丈なラダーフレームを採用するということは、タフでワイルドなクルマを目指すということ。トライトンのSUV版と考えれば、容易に想像できるだろう。
そんなパジェロも、もちろん魅力的だ。初代への原点回帰の雰囲気もあるし、何よりベースとなるトライトンの評価が凄く高いのも心強い。いいクルマに仕上がるのは間違いないからだ。
実は、トライトンのラダーフレームは電動化を見据えた作りになっている。現行アウトランダーPHEVは20kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを積んでいるが、同等容量のバッテリーを搭載するスペースが確保されているのだ。
つまり、次世代パジェロがもしPHEVで計画されているとしても対応できる構造ということだが、それはもっと先の話として、トライトン同様、クリーンディーゼルを搭載するのも面白い。
2023年末に入手した最初の情報の時から、次世代パジェロは海外での生産を視野に入れているとされていた。
トライトンはタイで生産しているから同じ手法を採るということで、それが最も効率がいいという判断なのだろう。海外生産のクオリティが上がり、国産にこだわる理由が少なくなってきているという現実もある。
そろそろ現時点での結論を出そう。これまで編集部が得てきた情報は錯綜しているが、パジェロ復活計画が生まれるきっかけとなった「三菱らしさ」の再強化を考えると、トライトンベース=ラダーフレームが有力に思える。
3〜4代目パジェロのように、ラダーフレームとモノコックを組み合わせる可能性もなくはないが、そこまでコストと時間をかける必要性は感じられないし、新たにプラットフォームを開発しても拡張性はさほど高くなさそうに見える。
つまり、次世代パジェロはトライトンベースで、まずはトライトンと同じ新開発の2.4Lディーゼルターボで登場するというのがベストカーの見立て。その後、時代の要請に応じて電動化を進めることもできるというのが重要で、それが持続可能性を高める。
次世代パジェロはラグジュアリー系ではなくワイルド系。そのほうが嬉しいというファンも多いのではないだろうか。編集部もワイルド系を支持する。登場は2026年中と予想している。
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