一般道と高速道路でUDASを試す
今回の試乗車はCG系単車のGVW25tカーゴだった。排気量10.8LのGH11TB型エンジン(390PS)に12段AMTを組み合わせ、標準ルーフのフルキャブ、に日本フルハーフ社製ドライウイングのメーカー完成車「パーフェクトQUON」という極めて標準的な車型である。
運転席には、UDASと同時期にオプション設定されたドイツのイスリングハウゼン社製「ベルト員インシート」が装備されていた。国産大型車の運転席は、2017〜2019年にかけ他社が高機能シートを設定。今般の設定でクオンもこれに追いついた格好だ。
新しいシートの感触はやや堅めだが、腰から座面まで均等に体を支えてくれる印象。この日の走行距離は170km程度だったが、腰痛持ちの小職にとってはシートの調整機能以上にクッション性の向上がありがたく感じられた。
エンジンを始動してパーキングブレーキを解除するとUDASが作動。停車状態でもステアリングの操作力は軽く、やろうと思えば指一本で据え切りができる。ハンドルを切る際の操作量はこれまで通りだが、セルフセンタリング機能を活用することで操作量を減らすこともできる。
公道を走り出すと、いつの間にかステアリングの軽さがなくなっているのに気づく。UDASのアシスト量は車速の上昇に合わせて少なくなるように設定されえており、ステアリングを切りながらの発進加速でも違和感はなかった。時速60kmぐらいで走る一般道でのステアリングの重さは非装着車と変わらない印象だ。
いっぽう、高速道路では安定感の高さが顕著に感じられ、リラックスした状態で巡航できた。直進性の高いステアリングジオメトリーを好む欧州車は、直進状態からステアリングの切り始めに微かな重さがあるが、UDAS搭載のクオンにはそれがない感じで、すっと切れる。
今回の試乗では進路を乱されるような横風には遭遇しなかったと思うが、UDASにはそうした外乱に対する修正舵を当てる機能も備わっている。さらに第2世代のVDSには横滑る防止装置と連携し、横滑り時にブレーキ制御を合わせてカウンターステアを切る機能も備わるという。
これから安全装備として発展も楽しみなステアリングの制御機能だが、まずは国内大型車に導入されたことが個人的にも嬉しい。
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