ショルダー部
トレッドとサイドウォールの間のタイヤの肩の部分。
ここも内部構造のカーカスの保護を目的としたものではありますが、特徴的なのは熱の発散を良くする為の設計がされている事です。
ゴムは熱に弱い素材です。通常の走行でも気温や路面温度が高かったり、トラックにフル積載した場合など、タイヤはかなりの熱を発生、発散しています。タイヤの接地面では転動による屈曲運動、路面との摩擦で受けたエネルギーが熱に変換されるて発熱するんですね。
タイヤの中でもゴムの層が厚いのはトレッドの内部とショルダー部分です。
トレッド内部は耐摩耗性は低いものの熱に強いゴムを使用していますが、ショルダー部分は耐摩耗性も必要な為、表面の形で放熱を促す構造になっています。深さはあまり無いもののトレッドパターンのような凸凹で少しでも表面積を増やし熱を逃がす形になっております。
ビード部
ビード部はタイヤをホイールのリムに嵌合する部分です。
ビード部の内部にはスチールワイヤーの束が入っており、その周りはビード部分の補強、剛性UPのためのかなり硬いゴムで覆われております。
チューブの入っていないチューブレスタイヤはこのビード部分がホイールのリム部分と密着する事でエアの漏れを防ぎ内圧を維持しています。
エア漏れ(パンク)の原因としては、トレッド部分の異物貫通(修理可能な場合)以外では、バルブコアの不良、バルブ本体のシール性の低下、そしてビード部分(リム部分)からの漏れがあげられます。
ビード部分からのエア漏れはホイールの錆びの発生が主な原因ですが、その他にタイヤ組み付け時のゴミの噛み込みやホイールのリム部分の変形もございます。
錆びやゴミの噛み込みでしたらホイールとビードの当たる部分の清掃やシール材の塗布で対処はできますが、ホイールのリム部分の変形はなかなかキレイには修正できないのと、やはりそれなりのダメージは受けているので新品ホイールへの交換がお勧めです。
またビード部分には「リムライン」というリムと全周に渡り平行になってるラインがあります。これはビード部分が正確にリムに嵌合しているかを確認するためのラインです。一般ユーザーさんにはあまり関係無いのですが、自社整備するユーザーさんなどはご参考までに。
通常、トラック用チューブレスタイヤでは普通にエア充填するだけでほぼホイールのリムにキレイにフィットして、リムラインもホイールと平行になるのですが、錆びの多いホイールやビードクリーム(タイヤ組み付け時に塗布するグリースのようなもの)が少な目だと上がって無い場合がありますので注意が必要です。
またフォークリフト等特殊車両のチューブタイプは特にリムラインの確認が必要です。
規定空気圧に達してもリムラインが歪になっており平行でなければ、きっちりタイヤとホイールが嵌合していないので、もう一度バラして多めにビードクリームを塗布するなど、再度確認をお願い致します。
以上、大まかに見える範囲でのタイヤの各部名称、役割でございました。
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