熱と摩耗の関係
タイヤの摩耗と熱は密接な関係にあります。
走行によりタイヤは発熱します。これは接地面での屈伸運動により発生するモノですが、運動量が多くなれば熱の発生も多くなります。タイヤの撓みの量が大きく、回数が増えれば熱も増えます。
ここでもやはり空気圧、荷重、速度が関わってきます。空気圧が低いと当然撓みが増え運動量が大きくなり発熱が促進され、同じ理由で荷重が大きいとタイヤの撓みも増しますので運動量が増え、熱も上昇します。
速度が上がると一定時間内で回転数が多くなり接地回数が多くなる為、タイヤの温度も上昇します。
その他に発熱に関しては溝の深さも関係します。溝が深いとトレッドのゴムの歪みが大きく、これも運動量の増加に当たるので発熱が増えます。また溝が深いということはトレッドのゴムの量も多いため、発生した熱が発散され難く、ゴムの中に蓄熱される要因も加算されます。
タイヤの基本構造(バイアス構造とラジアル構造)によっても発熱量は変わってきますが、今は乗用車、トラック、バスともにほぼラジアルタイヤを装着していますので、違いを意識する必要はないかと思います。
(ラジアル構造のほうが内部の骨格部分の三角トラス効果によりトレッドの動きが小さくなるため、バイアス構造より熱の発生を抑えられます)。
いずれにしても、タイヤの摩耗を抑えてライフを伸ばし、最後まできっちり使い切るためには、故障の原因の一つである発熱を抑える必要があります。トラックの積載量や制限速度は決まっているので、ドライバーさんが個人でできる対策として重要なのが空気圧管理です。
日々の運行前点検に加えて、月に1度程度でいいので冷えた状態のタイヤ内圧を、エアゲージを使ってチェックしてみてください。タイヤの熱と摩耗を抑えてトラックのパフォーマンスを最大限に発揮するため、タイヤの空気圧管理をお願いします。
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