今冬も大雪による立ち往生が各地で発生しました。降雪による交通ストップ・物流の混乱の原因は、さまざまな要素が考えられますが、やはり直接的な要因としては履いているタイヤの問題が大きいと思います。
そこで商用車専門のタイヤマン・ハマダユキオさんに改めて冬タイヤの滑り止めのルールを聞いてみました。
文/ハマダユキオ
写真/ハマダユキオ・トラックマガジン「フルロード」編集部
あまり浸透していない冬タイヤの知識
ドライバーさんの間に意外とまだ浸透していないんですが、凍結路・積雪路をノーマルタイヤで走行した場合、法令違反になる可能性が高く、違反した場合は罰金があるんです。
大型車7000円、普通車6000円、原付5000円となります。減点はありません。
そもそもなぜこのような規則ができたか?
これは消費者のタイヤに対する知識などが乏しく、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)でも雪道を走っても支障が無いという認識が強いらしく(数年前のデータでは「約6割」とのこと)、それに伴って事故や立ち往生が多く発生したので、注意喚起の意味も含め法令化されたようです。
では冬タイヤってのは何を指すのか。一般的にというか、パッと思いつくのは、やはり「スタッドレスタイヤ」ですよね。正解です。
ただスタッドレスタイヤ以外にも冬タイヤはありまして、たとえばスタッドレスタイヤが誕生する前からある「スノータイヤ」(タイヤのサイドの表記でSNOW)も冬タイヤです。
また、オールシーズンタイヤ(俗にいうミックスタイヤですね)も冬タイヤになります。トラックの場合、このミックスタイヤを履いているユーザーさんは多いと思います。
スタッドレスタイヤに履き替えるタイミングを逃し、出先での積雪に見舞われてもミックスタイヤを全輪に装着していれば法令違反にはなりません。
では、「ミックスタイヤを履いてればいいんだろ? 罰金も取られないし、スタッドレスタイヤも買わなくていいから、安く済むな」ということになりますよね。……これもまぁ、間違いではございません。
ミックスタイヤにも「SNOW」表記、もしくは「M+S」(マッド&スノー)やスノーフレークマークの表記がありますので、お咎めはないでしょう。ただ、安全面ではどうでしょう?