[安物買いの銭失い]!! サイフの紐をしめすぎると損するクルマの消耗品ってなに?

[安物買いの銭失い]!! サイフの紐をしめすぎると損するクルマの消耗品ってなに?

 「クルマの維持費はできるだけ安く済ませたい」そう思う人がほとんど。そこで今回は、クルマの消耗品について「安くてもあまり問題ないもの」「それなりにお金をかけないといけないもの」を紹介する。

文/山口卓也、写真/写真AC、Adobe Stock

ワイパーゴムは約6カ月から1年ごとに交換すべきといわれている。できるだけ安いものを思う気持ちはわかるが、安いもののなかにはゴムが硬く、拭き取りが悪い、劣化が早いものも……。こういったパーツほど、ネットではなく現物を確認して購入したい
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なぜ安いのか? を知って購入すべき

[安物買いの銭失い]に要注意!! お財布の紐を締めすぎると損をするクルマの消耗品って?
ワイパーゴムは約6カ月から1年ごとに交換すべきといわれている。できるだけ安いものを思う気持ちはわかるが、安いもののなかにはゴムが硬く、拭き取りが悪い、劣化が早いものも……。こういったパーツほど、ネットではなく現物を確認して購入したい

 例えばゴムやプラスチックパーツ。モノの精度はもちろん、本来あるべき柔軟性がある程度の期間保てるか? 紫外線にさらされてもすぐに劣化しないか? などは重要。

 筆者はかつて、大陸系の通販サイトでプラスチックやゴムパーツを購入したことがある。純正品と比べて驚くほど安かったからだ。

 しかし、到着した商品を手に柔軟性のチェックとばかりに少し変形させたらすぐにポキッ! ゴム製品も購入したが、両手で少し引っ張っただけでブチッ……。あらら。

 カタチは同じだが、どうやら素材が違う様子。それからは、ゴムやプラスチックパーツは少々高くても純正品か、国産有名ブランドのものと決めている。

 まあ、ここまで安くなくても「安いもの」は国内でも販売されているので、このあたりの“安いもの”をベースに話をしよう。

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エンジンオイル

 エンジンオイルは、ベースとなるベースオイル(基油)にさまざまな添加剤を加えて製品化されている。

⚫︎価格差はベースオイルの種類と添加剤の量

 価格的な差はまずベースオイルの種類によって起こる。

 ベースオイルには、高価→安価な順にフルシンセティックオイル(全化学合成油)、部分合成油、鉱物油がある。

 フルシンセティックオイルはPAO(ポリアルファオレフィン)やエステルなど、化学的に精製されたもので不純物を含まないオイル。安価な鉱物油は天然由来のオイルで、不純物を含んでしまう。

 製品化されるエンジンオイルには、このベースオイル約8割に多くの高価な添加剤約2割が加えられており、その種類は次の7種類。

1.摩擦調整剤
2.粘度指数向上剤
3.流動点降下剤
4.清浄分散剤
5.酸化防止剤
6.防錆剤
7.消泡剤

 このうち、安いオイルにあまり含まれていないのが汚れ落とし効果の高い「摩擦調整剤」と「清浄分散剤」。

 燃焼によって出たカスをしっかりオイルフィルターまで運んでくれるはずが、これらの添加剤が少ないことでエンジンオイルを交換してもエンジン内部にカスは残っていく。

 これにより、長い期間乗っていると徐々に燃費悪化やエンジン不調につながっていくので要注意。

 そこでまず守るべきは純正指定のオイルグレード(オイルの品質・性能を表す。API規格やILSAC規格など)と同じかそれ以上のもので、粘度も同じものを選びたい。純正指定のオイルグレードと粘度は、取扱説明書に書いてあるので要確認!

⚫︎めちゃくちゃ安いオイルはどうなのか?

 基本的に、国内で売られているオイルを使うことでいきなりエンジンが壊れることはない。

 しかし、先にも言ったが安いオイルには含まれない添加剤もあるため、適正なスパンでオイル交換していても、何万キロと乗り続けていくうちにエンジン出力が下がり、結果として余計にアクセルを踏む必要があることで燃費が悪化していくことはある。

 そしてさらに重大なエンジン不調に陥ることは十分考えられる。

⚫︎逆に、めちゃくちゃ高いオイルはどうなのか?

 “レーシングオイル”と呼ばれるレース専用オイルは多くの場合超高価である。

 レースの世界では、1レースごとやレース中の交換を前提としているものも多く、これを通常の市街地走行で使うと、パフォーマンス優先で性能劣化の早いものが多い。

 結果として、クルマの取扱説明書どおりのスパンでオイル交換していてもエンジン不調に陥る可能性はある。

 消耗品のなかで最も気になるオイルだけに長文となってしまったが、「たかが純正でしょ?」とあなどるなかれ。クルマメーカーだってさまざまな使われ方を想定してオイルを指定しているのだから、純正よりもはるかに安いオイルはやはり「安物買いの〜」になる可能性大なのである。

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