なぜ旧型ランクル40が人気なのか? 愛すべき「ヨンマル」が今や700万円!

なぜ旧型ランクル40が人気なのか? 愛すべき「ヨンマル」が今や700万円!

 タフで走破性に長けた日本を代表する四駆といえば、ランドクルーザー。その長い歴史のなかでも「ヨンマル」という愛称で、長く愛され続けているのがランドクルーザー40系だ。

 日本が高度経済成長の真っ只中、1960年に産声をあげた40系は、排ガス規制に対応するため、エンジンの改良や軽量化、ラインアップの強化など小刻みにモデルチェンジを繰り返しながら、1984年11月に70系にバトンをつなぐまで24年にわたって販売された。

 この愛すべきランクル40は、今いくらで買えるのか? モータージャーナリストの萩原文博氏が解説する。

文/萩原文博
写真/TOYOTA

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まずは歴代ランクルの中古車をみる

1960年に登場したランドクルーザー40系。写真は1961年式FJ40V
1960年に登場したランドクルーザー40系。写真は1961年式FJ40V

 25年ルールなどによって値上がりしているスカイラインGT-Rなどを除き、国産中古車の中で値落ちしにくい車種の代表といえば、トヨタランドクルーザーとスズキジムニーが挙げられる。

 この2モデルの共通点は高い走破性を実現したSUVというだけでなく、それぞれの世代にそれぞれファンがいて、人気薄のモデルが少ないということも共通している。

 新型が登場すると、旧型となった中古車相場が値上がりするという逆転現象が起きるのも共通している。

 現在トヨタランドクルーザーの中古車の流通台数は約1050台流通していて、その内訳は、1980年に登場したランクル60系が約108台、1989年に登場した80系が約244台。1998年に登場した100系が約287台。

 また、100系の派生モデル、シグナスが約52台。そして2007年に登場した現行型の200系が354台となっている。

 すでに販売開始から30年が経過した80系でもまだ200台以上の中古車が流通しているということからもいかにランドクルーザーの人気の高さが伺える。

ランクル40はなぜ人気?

型式がFJ40(V)/ BJ40(V)/BJ41(V)/BJ42(V)は、2ドアのショートホイールベース車(2285mm)。写真はグリルにDIESELのロゴが入る1973年式BJ40V
型式がFJ40(V)/ BJ40(V)/BJ41(V)/BJ42(V)は、2ドアのショートホイールベース車(2285mm)。写真はグリルにDIESELのロゴが入る1973年式BJ40V

 そんなランドクルーザーのなかでも、レジェンド的なモデルが存在する。それが1960年~1984年の約24年間という長きにわたって販売されたランクル40系だ。

 このランクル40系がどれだけリスペクトされていることがわかる事例がある。それは2010年~2016年に販売されたFJクルーザーの存在だ。

 もともと北米市場向けに開発された観音開きのドアを採用したSUVだが、逆輸入車が高値で販売され大ヒット。

 それを受けて日本市場に導入が決まったといういきさつのあるモデルだ。このFJクルーザーのモチーフとなったのが、ランクル40系なのである。

 また、このランクル40は2003年に放送されたTVドラマ『GOOD LUCK!!』において、木村拓哉扮する副操縦士の愛車として登場し、当時、中古車相場が急上昇したこともあった。

 ランクル40系がこれだけ愛されるのは、このモデル以前は軍用車をベースとしたモデルが中心だったのだが、ランクル40系はこの軍用車、商用車という垣根を越えて、パーソナルユース主体に開発されたモデルだからだ。まさに日本のSUVのルーツと言えるモデルなのだ。

 人気の理由は、やはり角張ったボディに愛嬌のある丸目のヘッドライト、湾曲したリアコーナーの湾曲したウインドウなど、レトロ感溢れるスタイルだ。このスタイルは唯一無二のもので、このスタイルに惚れて購入したという人が圧倒的に多い。

1973年式のBJ43Vのインパネ。台形のメーターや灰皿、グローブボックス、トグルスイッチなどレトロで懐かしさを感じる
1973年式のBJ43Vのインパネ。台形のメーターや灰皿、グローブボックス、トグルスイッチなどレトロで懐かしさを感じる
純正の縞模様のシート(写真は1979年式BJ44V)
純正の縞模様のシート(写真は1979年式BJ44V)

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