なぜ旧型ランクル40が人気なのか? 愛すべき「ヨンマル」が今や700万円!

中古車市場では異常とも思えるほど高騰!

2ドアのミドルホイールベース車(2430mm)は型式がFJ43/BJ43/BJ44(V)/BJ46(V)。前期型の43は幌タイプのみで後期型となる44、46にはハードトップもラインナップ。写真は1979年式BJ44V
2ドアのミドルホイールベース車(2430mm)は型式がFJ43/BJ43/BJ44(V)/BJ46(V)。前期型の43は幌タイプのみで後期型となる44、46にはハードトップもラインナップ。写真は1979年式BJ44V

 生産終了からすでに36年も経過したモデルなので、中古車の流通台数は非常に少なく、現在24台(2020年5月中旬)が流通している。

 価格は140万円からあり、200万円台のノンレストア車が多い。そしてしっかり整備された極上の全国どこでも乗れるNox・PM適合ディーゼル車が500万円前後で販売されている。

 ショートボディではBJ41V/42V、ミドルボディではBJ44V/46Vが流通しており、ガソリン車や4ドアロング車はまず見つからない。

リアコーナーの湾曲したウインドウや観音開き式のリアドアなどが特徴。写真は1979年式BJ44V
リアコーナーの湾曲したウインドウや観音開き式のリアドアなどが特徴。写真は1979年式BJ44V

 内外装にわたってフルレストアしたものはなんと700万円で、最高価格はオーストラリアから逆輸入されたモデルのフルレストア車で880万円だった。

 高値安定傾向が続いてきたが、ここに来て数年前から再び徐々に値が上がっている傾向にあるという。

 また、パワートレインを他車のものに載せ替えたり、ボディをフルレストアするなど、大掛かりレストアが施されたした個体が目立ってきている。

<strong>上の写真をクリックするとランクル40系の中古車情報が見られます!</strong>
上の写真をクリックするとランクル40系の中古車情報が見られます!

ランクル40の購入注意点とは?

FJ45(V)は4ドアのロングホイールベース(2650mm)車で国内では少数派。海外向けには2950mmのロングホイールベースのピックアップも存在した(写真は1979年式FJ45Lピックアップトラック)
FJ45(V)は4ドアのロングホイールベース(2650mm)車で国内では少数派。海外向けには2950mmのロングホイールベースのピックアップも存在した(写真は1979年式FJ45Lピックアップトラック)

 それでは、ランクル40系の購入時の注意点などを紹介しよう。ランクル40系の中古車を購入するとき最も注意しなくてならないのは、2002年に施行された「自動車NOx・PM法」だ。

 わかりやすく言うと当時の石原慎太郎都知事が、ペットボトルに入った黒いススを振ったシーンを覚えているだろう。

 あの黒いススが年式の古いディーゼルエンジンは“悪”というレッテルが貼られて、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、三重県、兵庫県、大阪府といった指定地域では乗ることができなくなったのだ。

 すべてのモデルがNOx・PM規制対象車となるので、対策済み車、あるいはごく稀に見かける乗用車登録(3ナンバー)のガソリン車など、特殊な車両以外は規制地域内での登録は不可能となる。

 したがって、ランクル40系のディーゼル車を購入する場合は自分の居住地がネックとなるため、自分の住んでいる地域で登録ができるか必ず確認しよう。

 しかし、現在は、ボディはランクル40系のままだが、搭載するエンジンをディーゼルエンジンからガソリンエンジンに換装して3ナンバー登録車することで、「Nox・PM法」を避けるという方法もとれるとのこと。

 もちろんこの「Nox・PM法」はランクル40系だけの話ではない。60系~100系までのディーゼルエンジン搭載した1ナンバー車には影響が及んでくる。

原色の鮮やかなブルーやレッドも人気。写真はBJ44V
原色の鮮やかなブルーやレッドも人気。写真はBJ44V

 ちなみに搭載するエンジンを載せ替えるとなると予算の目安は100万円くらい掛かるとのこと。

 当然、生産終了から36年も経っている古いモデルだけに故障に不安を感じる人も多いだろう。ぜひ精通したランクル専門店での購入をお薦めする。

 パーツの入手に関しても困難を極めるのは間違いない。ただ、海外でも販売され高い人気を誇ったモデルなので案外、海外でパーツが手に入る可能性が高い。

 実際、北米やオーストラリアに多数のランクル専門店もあり、フルレストア済みのランクル40が日本円で500万円以上で販売されている。

 しかし、今後年を追うごとに台数がますます少なり、今以上に中古車価格も上昇していくことが考えられるので、本当に欲しいと思ったら今のうちに買っておいた方がいいだろう。

ショートホイールベースの1973年式BJ40V
ショートホイールベースの1973年式BJ40V

【画像ギャラリー】買うなら今! 丸目ライトが愛くるしいランクル40を写真でチェック!

■ランドクルーザー40系の歴史年表

■1960年/ランクル20系の後継モデルとしてランクル40系が登場。20系のロングボディモデルに30系の名前が使用されていたため、40系となった。

 遅れて45(B)シリーズ登場。荷台の狭さが指摘されていたピックアップトラックとキャブシャシー用にホイールベースを2950mmとした45Bと呼ばれるスーパーロングが追加。ピックアップの型式はFJ45PからFJ45P(B)に切り替わる。
●発売当初の型式
FJ40:ショートの幌
FJ43:ミドルの幌
FJ45V:ロングのハードトップ

■1967年/55型の生産開始に伴い、4ドアステーションワゴンのFJ45Vが生産終了。同時にロングのホイールベースを2950mmへ統一、45(B)は再び45と呼ばれることになる。

 同じ型式で長さと形態が異なるモデルが混在するため、趣味上の分類としては1967年以前の45を初代、それ以降を2代目としている。

■1973年/日本国外向けのロングホイールベースモデルに直列6気筒3576cc、OHV、95psのH型ディーゼルエンジン搭載のHJ45を追加。ランクル史上初のディーゼルエンジンとなる(B型:水冷直列4気筒2977ccディーゼル)。

 FJ40(ショート)、FJ43(ミドル)、FJ55V(ロング)という形で40系と55系が並行して販売される。
●40系→70系(本格派クロカン四駆モデル)
●55系→60系→80系→100系→200系(乗り心地も意識した乗用スタイル四駆)

■1974年/ランクル史上初めてのディーゼルエンジン、B型(2代目)2997㏄ディーゼルを搭載したBJシリーズが発売。

 これ以降ディーゼルエンジンはランクルの主流になっていく。BJシリーズはそれまで1ナンバー登録だったランドクルーザーに誕生した初の4ナンバー車となる。

 型式はBJという名称が与えられ、ショートの幌BJ40、ハードトップのショートBJ40V、ミドルの幌BJ43をラインナップ。

■1975年/ワイパーがウインドシールド下側に移設され、ハードトップのドアを組み立て式サッシからフルプレスに変更、固定式であったリアクォーターウインドウを、引き違い式と後端フリップアウト式の2種類へ変更。

■1976年/アウターリアビューミラー(バックミラー)の位置がカウルサイドからドアに変更となり、国内ボンネット型車では初のドアミラー車となる(1980年には国内モデルのみフェンダーミラーへ戻された)

■1979年/日本国内のみ排ガス規制のため、B型エンジンをボアアップして2B型(水冷直列4気筒、3168cc)エンジンへと変更。型式もショートの幌BJ41、ハードトップのショートBJ41V、ミドルの幌BJ44に変更される。また、フロントディスクブレーキとリアのLSD、クーラーがオプションに設定される。

 ボディは大幅に設計変更され、大型プレス材を多用し、鋼板も薄くなる。ヘッドランプも法規制に合わせて感覚が広げられ、ラジエターグリルもオーバルから矩形になる。室内に置かれていた燃料タンクを室外の床下に設置し、65Lから95Lに拡大。

 増加の一途を辿る国内の一般ユーザーへの対策として、バンパーなどのメッキ加飾やトラック丸出しのリング式ながら白く塗られたホイールで差別化された外観と、室内には紅白のコントラストが鮮やかなファブリックシート、ドアトリムやフロアマットは明るい黄土色を採用したLパッケージが登場。

■1980年/ランクル60が登場。40系と並行して販売されることになった。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキなどの主要部品が60系と共通化。

 ロングホイールベースのディーゼルエンジンをH型から直列6気筒3980ccの2H型と4気筒3431ccの3B型へ変更。60系と共通化され、それぞれHJ47、BJ45となる。4気筒エンジンのロングへの搭載は初。

 セミロングにハードトップの設定が追加(型式はBJ44V)。ステップの幅が広がり、乗降性が向上。オドメーターも5ケタから6ケタに変更される(10万km台も表示可能に)。

■1981年/インパネのデザインを変更し、センタークラスタータイプに。日本国内でもラジアルタイヤが選べるようになり、リアフェンダーにエクステンションが追加され全幅が増す。パワステとタコメーター、専用の室内トリムを装備した最上級グレードのLXが追加。

■1982年/日本国内は排ガス対策のため、2B型から3431ccの3B型へ変更。ショートとミドルの日本国外向けも含めた3B型エンジン搭載車の型式も変更された、型式はショートの幌BJ42、ショートのハードトップBJ42V、ミドルの幌BJ46、ミドルのハードトップBJ46V。また5速MTが追加され、LXパッケージに標準搭載。

■1984年11月/70系へフルモデルチェンジ、国内での生産を終了

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