高騰必至!! タマ不足のうえに海外流出の危機を迎える平成の名車3選

GT-Rのパワートレインを移植したステージアオーテックバージョン260RS

ステージアオーテックバージョン260RS前期型のフロントスタイル
ステージアオーテックバージョン260RS前期型のフロントスタイル

 現在はSUVブームに圧されてスバル・レヴォーグが孤軍奮闘している国産ステーションワゴン。かつてはスバル・レガシィを中心に隆盛を誇った時代もあった。

 そのステーションワゴンブームの最中にR32型から始まる第2世代日産スカイラインGT-Rに搭載されている2.6L直列6気筒ツインターボエンジンを搭載したチョッ速ステーションワゴンが販売された。それが日産・ステージアオーテックバージョン260RSだ。

 オーテックジャパンは、日産の子会社で現在はNISMOやAUTECHといったカスタマイズカーを生産ししている会社だ。また、女優の伊藤かずえさんの初代日産シーマをレストアしたことでも知られている。

 そのオーテックが初代ステージアに2.6L直列6気筒ツインターボエンジン+5速MTというスカイラインGT-Rのパワートレインを搭載した260RSを1997年10月に販売開始し、1998年10月にはマイナーチェンジを行っている。

 オーテックバージョン260RSは280psを発生するエンジンを搭載したワゴンではなく、280psを使い切れるワゴンとして開発。走る、曲がる、止まる機能をすべて見直しされている。

 ステージアにRB26DETTを搭載するにあたって、ボディ補強を実施。フロントサスペンション取付部の剛性を上げるタワーバーをはじめ、左右車体サイドメンバー前方部分をつなぐトンネルステー。

 さらにリアサスペンションメンバーに寄り添うように配した3分割のピンステイからなるトリプルクロスバー。そしてCピラー部、リアストラット周りの剛性強化を施し、操舵に対する追従性や回頭性、リアの追従遅れの低減や接地性の向上を実現させている。

 4輪マルチリンクサスペンションはスプリングバネ定数、スタビライザー径、ショックアブソーバーの減衰力特性、ブッシュ剛性などをチューニングし、別物と言える仕上がりとなった。そして、ブレーキにもこだわり、ブレンボ製の大容量ブレーキシステムを採用している。

 インテリアは10,000回転まで刻まれたタコメーターをはじめ、センターコンソールには専用の3連メーター。そして、シートにはサポート性とホールド性を向上させた専用スポーツシートを装備している。

 ステージアオーテックバージョン260RSは440万~450万円で販売されたが、現在中古車の流通台数は約5台で、1台が前期型、残り4台は後期型となっている。

 中古車の価格帯は、約390万~約620万円と新車時価格を上回るクルマが多くを占めている。これほどのスペックを誇るチョッ速の国産ステーションワゴンは二度と登場することはないだろう。

日産ジュークのルーツと噂されたいすゞビークロス

ビークロスのフロントスタイル
ビークロスのフロントスタイル

 現在はトラックメーカーとしてなっているいすゞが1997年~1999年に掛けて販売したSUVがビークロスだ。オールラウンドリアルスポーツという新しいコンセプトを基に開発されたビークロスはいすゞのスポーツマインドの集大成といえるモデルと言える。

 ミューやウィザードといったSUVの既存プラットフォームを流用した3ドアモデルのビークロスは背面タイヤによるリアの視界確保を追求して、バックアイカメラ連動型モニターを標準装備するなど先進性を誇っているのが特徴。

 搭載するエンジンは最高出力215psを発生する3.2LV型6気筒自然吸気エンジンで、組み合わされるトランスミッションは4速AT。駆動方式は電子制御トルクスプリット式のフルタイム4WDとかなり先進的なシステムを搭載していた。

 新車時価格295万~322万円で販売されたビークロス。現在の中古車は約5台流通していて、価格帯は約139万~約220万円となっている。

 今回紹介した3モデルは海外流出の懸念もあるが、それ以前に中古車が絶滅の危機に瀕している。今後はさらに手に入れるのが厳しくなるので、悩んでいる時間はない。

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