高騰必至!! タマ不足のうえに海外流出の危機を迎える平成の名車3選

高騰必至!! タマ不足のうえに海外流出の危機を迎える平成の名車3選

 最近、良く耳にするようになった言葉が「中古車の25年ルール」。初度登録された年から25年経過したクルマが北米に輸出されている事象のこと。

 これはアメリカが世界の中でも厳しい安全規制を課していて、安全性能を証明するために衝突試験を実施しなければならない。しかし製造から25年経過したクルマであればクラシックカーと見なされて、その厳しい試験が免除されるという規則がある。これが一般的に「25年ルール」と言われているものだ。

 これにより個人輸入が可能となり、日本のみで販売された国産スポーツカーをはじめ、現在では軽自動車など様々なクルマが海外に流出し、「中古車のグローバル化」が加速したのはご存じのとおり。

 そこで、今回はこの25年ルールで海外流出が危ぶまれそうな平成の名車3台をピックアップしてみた。

文/萩原文博、写真/日産自動車、三菱自動車、いすゞ自動車

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ラリーで培った高い走行性能を誇るパジェロエボリューション

パジェロエボリューションのフロントスタイル
パジェロエボリューションのフロントスタイル

 まずは三菱・パジェロエボリューション。国内市場からは姿を消してしまったが、一世を風靡したパジェロは、世界一過酷なラリーといわれるダカールラリー(パリ~ダカールラリー)に1983年から参戦し、7大会連続を含む通算12回の優勝に輝き、耐久性の高さを誇った本格派のSUV。

 そのラリーで培ったノウハウを最も色濃く受け継いだモデルが1997年9月の発売されたパジェロエボリューションである。

 クロスカントリーラリーの「パリ~ダカールラリー」で培った技術を集約し、ドライバーの意のままに走行することができる優れた基本性能と走ることを楽しめると同時に長距離ドライブをこなせる快適性を兼ね備えたモデルだ。

 パジェロエボリューションの3ドアショートボディは高剛性化を図ると共に、空力特性とオフロード性能を徹底的に追求した外観となっている。リアには大型フィン付きリアスポイラー、ステップ付きサイドエアダムを採用。

 さらにアルミを採用し軽量化したボンネットはエンジンの冷却効率を向上させるため、エアインテークを採用している。

 サスペンションは本格オフロード4WD車で初めて四輪独立サスペンションを搭載。フロント、リアともにダブルウィッシュボーン式(リアはマルチリンク)を採用。さらにショックアブソーバーと減衰力の最適化、ボールジョイント式スタビライザーの採用により圧倒的なオフロード走破性とオンロードでの快適性を実現している。

 搭載しているエンジンは3.5LV型6気筒MIVECエンジン。三菱独自の可変バルブタイミングリフト機構、可変吸気システムを搭載し、低速、中速、高速と3つのモードでコントロールし、あらゆる領域で35.5kg-mという高トルクを維持し、圧倒的なフィーリングを実現している。

 組み合わされるトランスミッションは5速MTと5速ATで駆動方式は三菱独自のスーパーセレクト4WDを採用。ヘリカルギア式LSDにビスカスカップリングを装着したハイブリッドLSDにより、悪路走破性とオンロードでの旋回性能を向上させている。

 約22年前に新車価格374万~390.8万円で販売されたパジェロエボリューションだが、現在は価格応談の1台のみとなっている。海外に流出する前に絶滅の危機を迎えている。

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