■当時憧れて買えなかったが今いくら?
まさにクラウンの絶頂期でもあったわけだが、そこへ一矢報いたのが、Y31セドリック、グロリアのグランツーリスモだった。
Y31型グランツーリスモSVが348万5000円、グランツーリスモが330万6000円という高価格にもかかわらず、若い世代を中心に一大ブームを巻き起こした。
おそらく現在の50代中盤以降のクルマ好きの人たちにとって、憧れたけど高くて買えなかったクルマとして記憶に残っているに違いない。
後のVIPカー、VIPセダンと呼ばれるハシリのクルマでもあった。当時、筆者は20代だったが、300万円は大金。60回払いのローンを組んでだいぶ無理してグラツーを購入した友人も多数いた。
多くの若年層は、稼ぎのいい同年代や少し年長の男らが「買ったぜ!」と自慢する姿を「いいなぁ……」と思いながら、ただただ眺めていたのだ。
中小企業のオヤジさんが乗っているブロアムとは違って、4ドアハードトップの超カッコいいボディで、室内は豪華だから女の子には好評。今で言う、ちょいワル、マイルドヤンキーの人たちに、見事にハマったクルマだったのだ。
当時は、そんな若者だった人が今じゃ立派なおじさんだ。昔、憧れたグラツーが欲しいと思ったら買える財力を持っている人も多いはずだ。
では今いくらで買えるのか、中古車情報サイトで調べてみた。
セドリックのグランツーリスモは138万円、139万円、205万円と3台しか流通していなかったが、グロリアのグランツーリスモSVは15台と、この年代の中古車としては流通台数は多い。
実際、当時一番人気だったグランツーリスモSVは、グロリアのほうが圧倒的に多かった。Y31グロリアグランツーリスモは88万~269万円の中古車価格帯で、中心は170万~198万円のクルマで、なかにはワンオーナー車もあった。程度がいいものもあり、愛からず根強い人気があると感じた。
コメント
コメントの使い方60回ローン?甘いな!最長120回ローンを語ってこそ真のライターだろ!
Y31グランツーリスモSVの登場は衝撃でした。無理してでも手に入れたい程魅力的なクルマでした。それ以来、このクルマの魅力を超えるクルマも出ず乗り続けてます。この時代の日産車はどれも魅力的でした。