レクサスIS Fは打倒メルセデスベンツのAMG、BMWのM、アウディのRSを掲げて開発したスポーツセダンで2007年にデビュー。ベースとなった2代目ISは2013年にフルモデルチェンジしたが、IS Fは2014年まで販売された。
レクサスの戦略により、Fの称号が与えられたのは3代目ISではなく、2ドアクーペのRC(RC Fが新登場)だったため、IS Fは1代限りとなった。
IS Fは数々の新技術、チャレンジが盛り込まれていてスーパーな性能を持っていたが、4ドアセダンという使い勝手のよさも大きな魅力で、2ドアクーペのRC Fに切り替わったことを惜しむ声は根強く存在する。
そのIS Fもデビューから12年が経過しようとしていて、中古車マーケットでかなり魅力的な値付けがされているという情報を得た。そこで中古車に詳しい萩原文博氏にIS Fの中古車について検証してもらった。
文:萩原文博/写真:奥隅圭之
IS Fのデビュー時の新車価格は、GT-Rとほぼ同じ766万円だった!
2007年、この年は国産車でスーパースポーツモデルが2台登場した記念すべき年だった。1台は現在も販売されている日産GT-R。そしてもう1台が今回中古車情報を紹介するレクサスIS Fだ。
GT-Rはクーペスタイルのピュアスポーツカーに対して、IS FはコンパクトセダンのISに5L、V8DOHCエンジンを搭載したスポーツセダンとキャラクターは異なっていた。
しかし、新車時価格はGT-Rのスタンダードモデルが777万円。対してレクサスIS Fは766万円と価格帯がほぼ同じだったこともあり、自動車専門誌ではライバルとして扱われることが多かった。
レクサスIS Fは2014年に販売が終了し、現在は中古車でしか手に入れることができない。そこでちょうど、干支は一回りした12年後の現在レクサスIS Fの中古車事情はどうなっているのか検証してみる。
IS Fはレクサスが本気で打倒ドイツ御三家を掲げて開発したスーパースポーツセダン
レクサスIS Fは2007年10月に発表され12月25日から発売された。
“F”の名が付いたレクサスのプレミアムスポーツは、「基本性能を徹底的に鍛え込むとともに、走りの新技術を備えることにより、レクサスの新しいパフォーマンスを提案する」ことをコンセプトとしてクルマがドライバーの意思にしっかりと応え、自在に操ることができるというクルマの魅力である「運転する楽しさ」を極限まで追求している。
そういった思想で開発されたIS Fは全長4660mmという4ドアセダンのISをベースに、新開発したエンジン、トランスミッションをはじめ、専用のサスペンション、アルミホイール、タイヤを採用。
そしてポテンシャルを最大限に発揮出来るように“F”のルーツとなる富士スピードウェイをはじめ、国内外のサーキットで、徹底的に走り込みを行い、アクセルやブレーキのレスポンスをはじめ、エンジンサウンド、加速感といった感性品質にまでこだわったモデルに仕上げられている。
IS Fに搭載されているパワートレインは新開発の5L、V型8気筒自然吸気エンジン。筒内直接噴射とポート噴射を併用するD-4Sや電動連続可変バブルタイミング(VVT-iE)などの先進技術を採用し、最高出力423ps、最大トルク505Nmを発生。
自然吸気エンジンならではのレスポンスのよさや高回転まで一気に伸びる加速感が特徴だ。
組み合われるトランスミッションはLS460に搭載されている8速ATを電子制御により、滑らかな変速による快適な走行と本格的なスポーツドライビングを楽しめるマニュアルのメリットを両立した8速スポーツダイレクトシフトと呼ばれるATを採用。
さらにスプリングやダンパー、スタビライザーなど最適化した専用サスペンションと19インチタイヤによってV8エンジンの生み出すパワーをしっかりと路面に伝えてくれる。
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